アラブ首長国連邦( UAE )中央銀行は今年 1月1日に「すべての仮想通貨の取り扱いと取引の禁止」を発表しました。
今回、UAE 中央銀行が禁止した仮想通貨の定義は「交換媒体、会計単位、または貯蓄価値の形式として使用されるあらゆるタイプのデジタル・ユニット」となっており、
このデジタル・ユニットの定義にビットコインを始めとした仮想通貨全般に適用されるとし、1月1日から UAE では仮想通貨の取引がによって正式に禁止されていました。
突然の規制から一変、ビットコインは規制対象外
UAE の仮想通貨規制から 1ヶ月後の 2月1日、突然 UAE中央銀行の総督マンショウリ氏は、「デジタル・ユニットの規制は、ビットコインやその他仮想通貨、ブロックチェーンの基礎技術には適用されません。」と発言、
規制の対象となったデジタルユニット定義に仮想通貨が「入っていない」ことを公式に発表しました。
続いてマンショウリ氏は、「仮想通貨の取り扱いにおいて、現在 UAE 中央銀行は見直しをしており、新しい規制が適切に発行される。」と付け加えました。
今回の一連の騒動は、現在の金融業界においてビットコインを始めとする仮想通貨が全く新しいフレームワークで動いており、それを心配した UAE 中央銀行が混乱した状態で仮想通貨の規制に踏み切ったことが発端となっています。
世界のブロックチェーン・リーダーとなるために
UAE は 2020年までにブロックチェーン技術の中心地になることを目指しており、すべての台帳管理をブロックチェーン技術で行う最初の政府になると公言しています。
先の声明でマンショウリ氏は、UAE の金融業界の将来においてフィンテック技術開発が必要不可欠な役割を果たすことを強調しました。
UAE が描くブロックチェーン戦略は、外国人投資家および外国人投資家の会社設立をブロックチェーンベースのシステムを作成することによって容易にすることを目指しています。
なので今回の規制解除は、ブロックチェーン技術リーダー国として当然の対応を行ったのだと考えられます。
首都ドバイとIBMのブロックチェーン共同開発
現在、ドバイ政府は IBM と提携して貿易金融用のブロックチェーン技術をテストしています。
IBM はこのブロックチェーン技術を完成させることで、ドバイの関税・貿易機関や貿易プロセスに関与する企業に、紙ベースの契約から商品の状態と出荷状況に関するリアルタイムな情報が提供可能になるスマート・コントラクトのシステムの提供が可能になると発表しました。
このテストには複数の民間企業を含め、大手銀行、通信事業者、物流会社、航空会社が参加しています。
参加企業はこの技術開発で、国際取引をより迅速かつ安全に行うことができ、幅広いアプリケーションを持つことができると考えています。
このプロジェクトについて、参加企業であるエミレーツNBDグループ最高情報責任者のサジワニ氏は、
「我々はブロックチェーン技術を使用して貿易金融プロセスを合理化するエコシステムに参加することに興奮しており、このシステムは異業種間でビジネスを根本から変える可能性があります。」
とこのプロジェクトについて熱く語っています。
ドバイ政府は、2016年2月に政府がブロックチェーンの中心地になると発表した計画通りに、ブロックチェーンリーダー国として技術開発を突き進めています。