8日午後、中国人民銀行と中国ビットコイン主要取引所の関係者が会合を行なったとのニュースが流れました。
久しぶりの中国人民銀行と取引所のニュースとあって、報道直後のビットコイン価格は瞬間に下落しましたが、現在、ビットコイン価格はほぼ元の価格まで戻しています。
この会合で話された内容は、マネーロンダリング問題に関しての話し合いだったと人民銀行関係者から言われていますが、果たして本当にそうなのでしょうか?
中国人民銀行は規制をしたいのか?
先月の人民銀行の立ち入り調査の報道から、多くのメディアとビットコインユーザーが「ビットコイン規制」の心配をしていますが、
前回はあくまで「投資商品の規制」を行うための調査だったため、ビットコインの取引自体を禁止するものではありませんし、
3年前とは違いここまでビットコインの取引が容易にできる環境が揃っている今ではビットコインの取引と使用の規制は「事実上不可能」になっていると考えられます。
そしてそれは人民銀行も知っているはずです。
ではなぜ人民銀行はビットコイン取引所を調査しているのでしょうか?
中国人民銀行は本当の数字が知りたいだけ
人民銀行の本音は、立ち入り調査をし続け取引所からビットコイン取引の正確な情報を報告し続けてもらう事だと考えられます。
つまり「ビットコイン取引の中継ポイントである取引所を監視すれば流通量の正確な情報が把握できる。」という考えなのでしょう。
ビットコイン取引量は、全体の流通量を把握する事と、個人のビットコインの所有・使用を調査するのには向いていますが、
特定のジャンルに分けられるユーザーが、特定の取引方法をしたかどうかを調べるのは、取引所の協力なしでは不可能ですからね。
もしも、人民銀行の取引所の調査権が、事実上確立すれば世界初の政府によるビットコイン流通量の正確なデータ収集活動となります。
ビットコインとマネーロンダリング問題
中国人民銀行を始め、多くの政府がビットコインを規制・禁止する理由として「マネーロンダリング(資金洗浄)」を上げている。という報道がありますが、
ブロックチェーンは、取引履歴が全て公開され調査することが容易なため、マネーロンダリングには実は不向きです。
また、ビットコインは国外に資金を逃がすときに非常に便利なため、その点がマネーロンダリング問題の時に取り上げられますが、
現金をビットコインに変換する際に必ず取引所を通さなければならないため、結局は足がついてしまいます。
上記のような、マネーロンダリング対策のためにも人民銀行は取引所の監視を行いたいのでしょう。
人民銀行の今回の一連の動きを見ていると、ビットコインの規制・禁止がしたいというよりは、「取引所をコントロールしたい」のが目的だと考えてよいでしょう。
方法は違いますが日本でも同じような対策がされています。
日本ではビットコインの取引をできるだけ安全に行うために、「仮想通貨法案」を施行、取引所のルールを厳格にしたわけです。