コード検証・バグ探しにおけるAI活用に期待
イーサリアム(ETH)の共同創設者であるヴィタリック・ブテリン氏は2024年2月19日に、人工知能(AI)の応用で期待しているのは「コードの検証とバグ発見」であるとコメントし、イーサリアムの開発でAIを活用していくことを示唆しました。
ヴィタリック・ブテリン氏は今回の投稿で「現時点におけるイーサリアム最大の技術的リスクは、おそらくコードのバグである」と述べており、どのようなものだろうとその状況を大きく変えることができるものは素晴らしいと語っています。
私が期待しているAI応用例の一つは「AIによるコードの形式的検証やバグ発見」です。
現時点におけるイーサリアム最大の技術的リスクはおそらくコードのバグです。これを大幅に変えることができる可能性のあるものは全て素晴らしいと思います。
今回の発言はあくまでもAI活用への期待を示すものであり、具体的な活用予定などは語られていないものの、仮想通貨業界では今回の発言を受けて「イーサリアムにおけるAI活用」に注目が集まっています。
イーサリアムでは現在、Dencun(デンクン)と呼ばれる大型アップグレードに向けた準備が進められていますが、今年1月にGoerliテストネットで実装した際には、バグの影響で最終確定が4時間ほど遅れていたため、AIをうまく活用できればそのような問題も減ると期待されます。
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「AIの応用には注意が必要」との発言も
ヴィタリック・ブテリン氏は今回の投稿でAI活用に期待感を示しているものの、2024年1月30日に公開されたブログ記事では「AIをどのように応用するかについては注意が必要である」との考えも語られています。
同氏はこのブログ記事の中で「AIではモデルや学習データがオープンだった場合に敵対的な機械学習攻撃に対する脆弱性が大幅に高まる」と述べており、分野によってはAI活用に高いリスクが伴うことを説明しています。
具体的なAI応用例としては「仮想通貨ウォレットのインターフェイスにAIを活用して、トランザクション・署名の事前説明や詐欺の事前検知に役立てること」が挙げられていますが、「純粋なAIインターフェイスでは他のエラーのリスクが高まるため、現時点ではおそらくリスクが高すぎる」とも説明されています。
AIを暗号資産・ブロックチェーン分野に応用する取り組みはすでに多数行われているものの、現時点のAIは特定の用途に役立つ一方で、エラーや別の問題を引き起こす可能性もあるため、今のところは”アシスタント”として活用すべきだという意見が多く出ています。
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