ブラジルの暗号資産(仮想通貨)投資企業Hashdex(ハッシュデックス) が、ビットコインとイーサリアムの現物を直接保有するETF(上場投資信託)の登録届出書を米証券取引委員会(SEC)に提出しました。
ETFとは「Exchange Traded Fund」の略で、金融商品取引所に上場している投資信託を指し、仮想通貨に限らず幅広い金融商品が取引されています。
今回提出されたETFは「Hashdex Nasdaq Crypto Index US ETF」と呼ばれ、ナスダック・クリプトUS決済価格指数のパフォーマンスを追跡します。
現在はビットコインとイーサリアムのみが保有される予定ですが、将来的にはSECの許可を得て、ライトコイン、チェーンリンク、ユニスワップ、ファイルコイン、ビットコインキャッシュ、ステラなど他の仮想通貨も含まれる可能性があります。
ハッシュデックスは届出書の中で、インデックスに新たな仮想通貨が加わった場合、サンプルレプリケーション戦略に移行する可能性を示唆しています。
この戦略は、インデックス全体のパフォーマンスを再現するために一部の銘柄のみを選んで投資する手法で、今回のケースでは、ビットコインとイーサリアムはインデックスで決定された割合で保持される予定です。
一方、イーサリアム現物ETFの取引も活発化しています。上場2日目には約9億5,100万ドル(約1,464億円) の取引高を記録し、初日の10億5,400万ドル(約1,622億円) に迫る勢いを見せました。
取引高の内訳を見ると、グレースケール・イーサリアムトラスト(ETHE)が約52%を占め、ブラックロックのiSharesイーサリアムトラスト(ETHA)、フィデリティのフィデリティ・イーサリアムファンド(FETH)が続いています。
しかし、グレースケール・イーサリアムトラストは唯一の純流出を記録し、約4億8,410万ドルの資金が流出しました。これは、同社の手数料が競合他社より高いことが一因とされています。この状況を受け、グレースケールは手数料の低いイーサリアムミニ現物ETFも立ち上げています。
仮想通貨ETFの登場により、投資家は従来の直接購入よりも簡単に仮想通貨市場に参加できるようになりました。ただし、ETFには手数料や運用リスクなど考慮すべき点があるので注意が必要です。
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(登録届出書)