2025年7月までにCBDC決済インフラを整備
ロシア中央銀行は2024年9月12日、2025年7月までにロシアの中央銀行デジタル通貨(CBDC)であるデジタルルーブルの決済インフラを整備する計画を発表しました。
2025年7月1日から、デジタルルーブル口座の開設、現金の預け入れ、資金の送金、関連インフラを通じたデジタルルーブルの受け取りが可能になります。
ロシア中央銀行は、この日程を機にデジタル国家通貨の大規模な利用を開始する計画だと報告しています。
デジタルルーブルの特徴として、個人と企業の両方が利用可能で、現金や銀行預金と同様に自由に使用できる点が強調されています。
ロシア中央銀行は「デジタルルーブルが他の通貨形態と同等に扱われることで、新しい決済手段としての普及が促進される」と説明しています。
デジタルルーブル導入に関する法改正案も提出
ロシア中央銀行はさらに、デジタルルーブル導入に関する法改正案をロシア財務省に提出したことも明らかにしました。
銀行のデジタルルーブル対応には段階的なアプローチが取られ、ユニバーサルライセンスを持つ銀行は2026年7月1日まで、その他の金融機関は2027年7月1日までにシステム調整を完了する必要があります。
商業・サービス企業(TSC)にもデジタルルーブル決済の受け入れが義務付けられる見通しです。
年間収益3,000万(4,500万円)ルーブル超の企業は2025年7月1日まで、2,000万ルーブル(3,000万円)超の企業は2026年7月1日まで、その他すべての企業は2027年7月1日までに対応を求められています。
デジタルルーブルの大規模導入後、銀行とTSCは、関連インフラの準備が整えば、法定期限を待たずにデジタルルーブルの受け入れを開始できるとしています。
デジタルルーブルを使用した決済方法として、国家決済カードシステムに基づく統一QRコードが採用される予定です。
デジタルルーブルは国家通貨のデジタル形態として、支払いと資金移動の選択肢を拡大することを目的に設計されています。注目すべき点として、個人がデジタルルーブルを使用する際のすべての取引が手数料無料となることが明らかにされました。
この取り組みが、ロシアの決済システムや金融環境にどのような変革をもたらすか、今後の展開が注目されています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ルーブル=1.5円)
CBDC、日本や米国などの動きは?
Souce:ロシア中央銀行公式発表
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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