ビットコイン関連書籍でも異色の「SF小説」

ビットコインや暗号通貨の「金融系」の書籍を最近良く目にしますが、実はビットコインが誕生する以前に暗号通貨に関する「 SF小説」が出版されていたことをご存知でしょうか?

ここ最近、暗号通貨市場が盛り上がりを見せ数多くの金融系の書籍が出版されていますが、それ以外のジャンルの書籍はなかなか珍しいと思いますので、今回はこれらの「暗号通貨 SF小説」を紹介してみたいと思います。

ビットコインに似た通貨が登場する「Cryptonomicon(クリプトノミコン)」

クリプトノミコンは、Neal Stephenson(ニール・スティーヴンスン氏)による作品で 2000年に出版されました。ビットコインが誕生する 8年も前ですね。

正確には SF小説ではないのですが、SF・ファンタジー作品を対象とした文学賞であるローカス賞を受賞したことで SF小説として広がってしまったようです。

本の内容は主人公がタイムトラベラーのような設定で、第二次世界大戦とインターネットが存在する現代を行ったり来たりしながら、とあるコードを読み解きながらデータを保管場所を作ったり、データを通貨に両替するシーンも登場します。

戦争の部分は実際の歴史的事実をベースにしているので、内容に厚みが出ており、そこに作者の未来に対する考え方がミックスされた形でストーリーが展開していくので現実味のある作品になっています。

著者のアイディアと登場キャラクターがこの本の魅力ですが、ストーリーは少しひねくれていて、読みづらい部分があるとの声もあります。

著者のニール氏は、数年前に「ビットコイン・ジーザス(ビットコイン救世主)」として有名なビットコイン投資家のロジャー・バー氏と会談をしました。

この会談でロジャー氏が、ニール氏のスマートフォンにビットコインウォレットアプリの設定をし、ロジャー氏が Twitter で画像付きでツイートしたことで、ニールの存在が多くの人々に知られることになりました。

Down and Out in the Magic Kingdom(マジックキングダムの崩壊)

マジックキングダムの崩壊は、ざっくり言えば「ディズニーとホーンテッドマンションの中間ぐらい」の感じで書かれています。

この本の中では「ウッフィー」という暗号通貨が登場します。これは「人への尊敬や敬意」に基づいて刷られるユニークな通貨です。その他にも3つのデジタル通貨が登場しますが、その概念がビットコインに非常に似ています。

人々がウッフィーを稼げば稼ぐほど、尊敬や敬意にあふれた世界になり、生活が豊かになるという設定になっています。

豊かさの一方で、マイナス面もやはり出てきます。この世界では「マインドチップ」と呼ばれる、人の意識をコントロールできるチップを誰もが持つようになり、それを使って、他人の社会的な地位を判別したり、ウッフィーを稼ぐ方法を探ったりします。

作者のコーリー氏は、ウッフィーの事を「ある意味恐ろしい通貨である」とツイートしています。

小説の中では経済成長につれて、豊かになる人がいる一方で、損をしたりする人が現れ、通貨について賛否両論の意見が出てきます。この辺りは、実経済のことを描いているように受け取れます。

彼のデビュー作から10年後、話の中にも登場するビットコインを紙で印刷するタイプのATMも実際に現れました。まさに「現実は小説より奇なり」を地で行く事実ですね。

Future Imperfect(フィーチャー・インパクト)

David D. Friedman(デビィッド・D・フリーマン氏)によって 2008年の1月21日に出版された Future Imperfect(不完全な未来)は、未来に起こるかもしれないと彼が予測したシナリオが複数描かれた本です。

最近話題の VR やデータの暗号化、バイオテクノロジー、ナノテクノロジーなど、最先端の技術が発展する未来を予測しており、経済学者でもこれらの技術を予測するのは本当に難しいとされていますが、この本では 10年後の世界に実際に登場する技術を描いています。

ここでも実際の暗号通貨に似た ” Ecash ” という通貨が存在します。この通貨が個人情報を保護し、日々進化が進む社会をうまく生き延びるカギとなる、という設定でストーリーは展開します。

この本では、テクノロジーの進化につれて法律から医薬品までありとあらゆる事が書き換えられ、進化の一方で、奴隷が生まれたりするなど不自由な面も増えてくると予想しています。

暗号通貨の実話に関する本や歴史、金融系の本も良いですが、たまにはこういった「暗号通貨SF本」を読んでみると、過去に著者が描いた未来が現実化していたりしていて、新たな発見、新たな角度で暗号通貨を見ることができるかもしれませんね。

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