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ビットコインマイニングを個人でした男性は「いくら」稼いだのか?

ビットコインのマイニングといえば、膨大な敷地と巨大な工場、数千台も並ぶマイニングマシンに、徹底管理された空調設備、マシンをコントロールするメインシステム、エンジニア、投資家をはじめとした大量のスタッフ…
などなど、ビットコインのマイニング市場で利益を出そうと考えれば、前段階で「多額の設備投資」が必要になる。
こうした “敷居の高さ” から、マイニング市場では寡占化が進み、巨大な企業(マイニング・プール)でなければ利益は出ない。というのが通説だった。
しかし、本日アメリカのとある個人マイナーが、
「 5ヶ月でマイニング投資金額を回収した。」
という情報が出ていたので少し掘り下げて行きたいと思う。

ビットコインのマイニングは今からでも稼げるのか?

「投資金額を回収した。」と語るのはアメリカで、EMVスマートカードを開発した SoliSYSTEMS Corp(ソリシステムズ・コーポレーション)社長の Roque Solis(ロケ・ソリス氏)だ。
彼は昨年、マイニング機器である「 Bitmain Antminer S9(ビットメイン・アントマイナー・エスナイン)」を購入し、個人マイナーとして活動をはじめた。
彼は、以前からビットコインの存在と仕組みについては理解していたがマイニングは一切関わっておらず、社内会議で度々ビットコインの名が挙がるようになったので、自社でビットコインが扱えるかを調べるためにマイニングを始めたと語った。
彼は昨年からマイニングをはじめ、現在5ヶ月が経つが、先週の段階で 1.01BTC (約 291,000円)のマイニングに成功している。
ちなみに彼が購入した Bitmain Antminet S9 は、当時の価格で 2,400ドル(約 264,000円)だった事を考えるとすでに投資金額は回収したことになる。
彼は今回の取材に対して、

「私がマイニングマシンを買った時、ビットコインの価格は 1,200ドルだったので、回収するのは 1年ほど先だと考えていた。しかし実際には 5ヶ月だった。」

と語る。
もちろん、マイニングには電気代がかかってくるので、全てが利益にはならないが、今後のビットコインの価格上昇のことを考えれば十分すぎる結果だろう。

個人でのマイニングは無理のはずでは?

冒頭にもお話したが、すでにビットコインのマイニング市場は寡占化と巨大化が進んでおり、
「個人では稼げない」
が通説だった。
Solis氏の今回の発表は、個人ビットコイン投資家にとって、非常に大きな意味を持つ。
彼は現在 1日に16ドル分のビットコインを得ているとも話しており、通説を打ち破る事になった。
もちろん、これには「ビットコインの価格上昇」が大きな意味を持つ。
ビットコインは、過去半年で 2倍以上に価格が上昇しており、それによって彼の 1日の利益が 7ドルから 16ドルになった。
今後もビットコインの価格上昇が起きることを前提として考えた時、電気代を加味しても “大きなおつり” がくる計算になる。
彼は今後はイーサリアムのマイニングを計画していると語っている。

個人マイナーは多い方が良い

ビットコインホルダーにとっては、彼のような「個人マイナー」の存在は非常にありがたい。
なぜなら、ビットコインの価格は利用者が多い方が上昇するからだ。
また集中化するマイニング報酬も、より多くの人に分配しつつビットコインの運用をした方がネットワークの安定化とビットコイン利用者が増加する。
それに伴いビットコインで支払いができるサービスが増加し、結果としてビットコインの価格上昇が起きるひとつの要因となって、最終的にはビットコインホルダーにとって良い方向へ進んでいく。
シンプルに「何事も多い方が良い」ということだ。
ちなみに今回の件で「個人でマイニングをはじめようかな」と考えた方には、一点。Solis氏から注意がある。
彼はマインングマシンを自社のサーバールームにおいて運用しているらしいが、その他のサーバーマシンと比べて、
「マイニングマシンは騒がしい。他のサーバーと比べても非常に騒々しい。」と語る。
個人マイナーは騒音被害にご注意を。
 
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