中国第第二の規模を誇る取引所 BTCC( BTCChina )が、ビットコインとイーサリアムをはじめとした全ての暗号通貨取引を 9月30日に停止することを発表しました。
BTCC は今回の発表が、先日から続いている中国の仮想通貨規制に関する声明に、直接的な影響を受けていると話しています。
また、中国国内では「先日禁止になった ICO に続き、次の規制段階に入っている。」や「中国中央銀行は ICO のみを禁止するにとどまる。」という情報や、
中国三大取引所の 1つ「 Huobi 」からは「ビットコイン取引所を閉鎖しろという明らかな通達も通知も来ていない。」という報道など、
現在の中国暗号通貨市場は多くの情報が入り混じり混乱しています。
混乱した報道の影響を受けてか、ビットコイン価格は一時は「 30%」近く下落しました。現在は調整されて 20%まで戻ってきています。
また、中国中央銀行は、
「金融機関及び銀行以外の機関が、トークン・ファイナンス及び、仮想通貨取引に関連する業務を遂行してはならない。」
と「規制強化」を発表しています。
ビットコイン取引停止と中国政治
現在、中国国内にはビットコインなどの暗号通貨の規制関わる 3つの機関が存在します。
まずは、各機関名とそれぞれのスタンスをまずは理解していきましょう。
規制に関わる 3つの機関
1.中国中央銀行( PBoC )
2.中国証券規制委員会
3.上海特別対策チーム
各機関のスタンス
1.中国中央銀行( PBoC )
→法律を厳守すれば取引所運営も可
2.中国証券規制委員会
→すぐにでも全ての国内取引所運営を禁止
3.上海特別対策チーム
→取引禁止を確定させ、その次に全ての取引所運営を禁止
この内容を見ると、意外にもよく規制問題で話題に上がる中国中央銀行のスタンスが、最もビットコインに対しては友好的です。
彼らのビットコインに対するスタンスはそれぞれ異なっているのは「中国国内の政治」と密接に関連している体と考えられます。
中国政治の影響
10月18日に中国は「第19回 中国共産党全国代表大会(以下、党大会)」が北京で開催されます。
党大会は、中国の政治主要メンバーが決定される非常に重要な選挙であり、
今回の党大会では「ビットコインを規制するかどうか?」に注目が集まっていると言われています。
当然、それだけ影響力があるということです。
3つの機関のスタンスが異なるのは、バックアップしている政治関係者が違うということでしょう。
中国市場の混乱は、最低でもあと 1ヶ月は続いていきそうです。
残念ですが、中国のビットコイン市場は、国内政治と絡みより複雑性を高めているのが現状です。
ビットコイン規制の今後
先日の「 Segwit 導入」で長年のスケーラビリティ問題解決の大きな一歩を踏み出したビットコインは、史上最高値を更新し、これから大きく市場を広げていくと予測されていましたが、今回の中国市場の影響を受けて大きく上昇分の一部を失う結果になりました。
今後の中国政府の動き次第では、世界最大のマイニング量を誇る中国マイニングファームも影響を受ける可能性があります。
そうなれば、ビットコインの維持そのものが危ぶまれる可能性もあります。
中国のビットコイン取引量は現在、全体の 1割前後ですが、マイニングに関しては半数以上を担っているためこのような問題も連鎖して起き始めます。
何れにしても、今回の報道の「最終的な決定はまだ出ていない」の現状であり、中国国内でも混乱を引き起こしているのは事実です。
ただし、中国国内のビットコインを取り巻く環境と中国政府の姿勢は「ビットコインの思想」と真逆であり、この点については問題が多いと感じます。
この記事を深く理解する最重要記事
→「ビットコインとは?を思想から理解」
→「ビットコインのマイニングについて」