中央銀行による「デジタル通貨発行」現実的に:国際通貨基金(IMF)調査報告

by BITTIMES

仮想通貨市場が拡大していくにつれて、金融業界ではそれらに対応するための新しい対策をとることが重要視されてきています。ここ最近では、仮想通貨に関連する規制を明確化する動きなどが特に目立ってきていますが、「国際通貨基金(IMF)」が最近公開したレポートでは、"中央銀行がデジタル通貨を発行する動きが現実的になってきている"ということも明確に記されています。

こちらから読む:ゴールドマンサックスも独自通貨発行か?「仮想通貨」関連ニュース

「フィンテックに関する5つの事実」国際通貨基金(IMF)

為替相場の安定化を目的として設立された国際連合の専門機関である「国際通貨基金(IMF)」は、2019年6月27日に公開した「フィンテック(Fintech)に関する5つの事実」という報告書の中で『中央銀行が支援するデジタル通貨が現実のものになる可能性がある』と明確に述べています。

世界189カ国の中央銀行、財務省、その他政府機関を対象に調査を行なった結果を報告しているこのレポートでは、中央銀行が仮想通貨の発行を検討する主な理由として「仮想通貨との競争への対応」も挙げられています。

この調査では「中央銀行のデジタル通貨」に関する世界各国の幅広い見解が明らかにされています。回答者の約20%がそのような通貨を発行する可能性を模索していると回答しました。しかし、それらの取り組みはまだ初期段階にあり、報告されたテストプラグラムは4つだけとなっています。

デジタル通貨の発行を支持する主な理由は「コスト削減・金融政策の効率向上・仮想通貨との競争への対応・決済市場における競争力の確保・リスクのない支払い手段の提供」です。

仮想通貨の普及がもたらす「潜在的リスク」への対応策

IMFは2018年の「国際金融安定性報告書」の中で、暗号資産の特徴として「市場の効率性を改善する可能性がある」ということをあげていますが、それと同時に仮想通貨の潜在的なリスクとして、
・セキュリティ侵害
詐欺
・運用上の失敗
・不正行為での使用
などもあげており、現時点では仮想通貨が金融安定性リスクをもたらすとは思われないものの、適切な対応策が講じられず仮想通貨が普及した場合にはリスクとなる可能性があると説明しています。

暗号資産を支えている技術は、金融市場のインフラストラクチャをより効率的にする可能性を秘めています。しかし暗号資産は、詐欺・セキュリティ侵害・運用上の失敗に苦しんでおり、不正行為と関連しています。

現時点では、暗号資産が金融安定性リスクをもたらすとは思われませんが、適切な保護策が講じられずにその使用がさらに拡大すると、リスクがもたらされる可能性があります。

2018年の仮想通貨市場では、下落相場が続いていたこともあり、それほど大きな市場の成長は見られませんでした。しかし最近ではFacebook(フェイスブック)が仮想通貨「Libra(リブラ)」を発表したことなどによって、仮想通貨市場がさらに拡大していく可能性があるとの見方も出ているため、報告書で述べられている「金融安定性リスク」が高まってきていると考えられます。

IMFは「暗号資産が世界の金融システムを改善する可能性がある」とは考えてはいるものの、「金融の安定性を保つために適切な保護手段をとる必要がある」とも考えているため、中央銀行のデジタル通貨発行はそのような対応策でもあるのだと予想されます。

中央銀行デジタル通貨は「仮想通貨の脅威」となるか?

中央銀行デジタル通貨(Central Bank Digital Currency/CBDC) は、中央機関が通貨システムを完全に制御できるように作られているため、中央管理者が存在しないビットコイン(BTC)などの「分散型仮想通貨」とは根本的な性質が異なります。

このような「分散型仮想通貨」のメリットは、中央管理されることなくネットワークに参加しているすべての人が自由に直接的な取引を行うことができるという点であるため、"一部の組織にだけに管理されたくない"と考えている人が一定数いる限り、ビットコインは需要を持ち続けると予想されます。

これらの特徴を踏まえて考えると、中央銀行デジタル通貨は少なくとも「分散型仮想通貨」脅威にはならない可能性が高いと考えられます。しかしながら、今回IMFが「中央銀行が支援するデジタル通貨が現実のものになる可能性がある」と語っていることを考えると、政府機関は徐々に仮想通貨を"潜在的な競争相手"だとみなし始めているのではないかと予想されます。

仮想通貨の影響力が徐々に強まってきていることは確かであり、現在も非常に多くの国や中央銀行などがこれらの内容についての議論を進めています。最近では、仮想通貨サービス事業者の国際規制団体を設立することなども決定されていますが、このような取り組みは仮想通貨が国際的にも"新しい資産クラス"として認められつつあることを示していると言えるでしょう。

>>IMFが公開したレポートはこちら

ビットコイン(BTC)などの購入は豊富な仮想通貨を取り扱っている仮想通貨取引所Coincheckからどうぞ。

仮想通貨取引所Coincheckの画像 仮想通貨取引所Coincheckの登録ページはこちら

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

関連のある仮想通貨ニュース

タイ最大の映画館「Major Cineplex」仮想通貨決済に対応|利用可能店舗拡大も予定

タイ最大の映画館「Major Cineplex」仮想通貨決済に対応|利用可能店舗拡大も予定

NFTも収集できるEnjin基盤のFPSゲーム「Impulse」2021年夏公開へ:Ascendance Games

NFTも収集できるEnjin基盤のFPSゲーム「Impulse」2021年夏公開へ:Ascendance Games

Binance JEX:独自仮想通貨の「エアドロップ開催」を発表|合計2億トークンを配布

Binance JEX:独自仮想通貨の「エアドロップ開催」を発表|合計2億トークンを配布

コナミ:悪魔城ドラキュラ35周年記念「KONAMI MEMORIAL NFT」発売へ

コナミ:悪魔城ドラキュラ35周年記念「KONAMI MEMORIAL NFT」発売へ

米国のトランプ大統領が仮想通貨ペトロの購入を禁止

米国のトランプ大統領が仮想通貨ペトロの購入を禁止

Coinbaseが分散型取引所Paradexを買収|新サービスも公開

Coinbaseが分散型取引所Paradexを買収|新サービスも公開

注目度の高い仮想通貨ニュース

OKCoinJapan「MKR・APE」取扱いへ|お得なキャンペーンも開催中

OKCoinJapan「MKR・APE」取扱いへ|お得なキャンペーンも開催中

シバイヌL2「Shibarium」大規模なUIアップデートを実施|ユーザー体験・スピード向上に向けて

シバイヌL2「Shibarium」大規模なUIアップデートを実施|ユーザー体験・スピード向上に向けて

総額888万円相当を山分け「暗号資産クイズ祭り」開催:OKCoinJapan

総額888万円相当を山分け「暗号資産クイズ祭り」開催:OKCoinJapan

次のトップ・ミームコインと噂されるDogecoin20、プレセールで早くも200万ドルを突破

次のトップ・ミームコインと噂されるDogecoin20、プレセールで早くも200万ドルを突破

STEPN:GMTにも交換できる「FSLポイント」をエアドロップ|対象者と注意点

STEPN:GMTにも交換できる「FSLポイント」をエアドロップ|対象者と注意点

シバイヌ(SHIB)は今後「300%以上」上昇する?さらに強気な価格予想も

シバイヌ(SHIB)は今後「300%以上」上昇する?さらに強気な価格予想も

複数の仮想通貨交換を「1回の取引」に集約|ADA Marketsが新機能をテスト

複数の仮想通貨交換を「1回の取引」に集約|ADA Marketsが新機能をテスト

Solana系の最新ミームコインDogWifCat、24時間で3,000%以上の価格高騰

Solana系の最新ミームコインDogWifCat、24時間で3,000%以上の価格高騰

K9 Finance DAO「ガバナンスプロセス」を発表|分散型運営の仕組みについて解説

K9 Finance DAO「ガバナンスプロセス」を発表|分散型運営の仕組みについて解説

ビットコインの価格高騰は近い?「現在は2020年末と同じ成長段階」Bitfinexレポート

ビットコインの価格高騰は近い?「現在は2020年末と同じ成長段階」Bitfinexレポート

BNB Chainがハッカソン上位入選のDappsをインキュベート

BNB Chainがハッカソン上位入選のDappsをインキュベート

自動損益計算のクリプタクト「GESO Verse」と「DM2 Verse」に対応

自動損益計算のクリプタクト「GESO Verse」と「DM2 Verse」に対応

仮想通貨ニュース | 新着記事一覧

仮想通貨まとめ一覧

WoofSwapとは?Shibarium基盤トークンを売買できる分散型取引所(DEX)を紹介

WoofSwapとは?Shibarium基盤トークンを売買できる分散型取引所(DEX)を紹介

K9 Finance(KNINE)とは?Shibarium基盤のDeFiプラットフォームを紹介

K9 Finance(KNINE)とは?Shibarium基盤のDeFiプラットフォームを紹介

Bad Idea AI(BAD)とは?特徴・価格チャート・取扱う暗号資産取引所など

Bad Idea AI(BAD)とは?特徴・価格チャート・取扱う暗号資産取引所など

Astar(ASTR)の「dApp Staking」でステーキングする方法|画像付きでわかりやすく解説

Astar(ASTR)の「dApp Staking」でステーキングする方法|画像付きでわかりやすく解説

確定申告はいつからいつまで?知っておきたい「仮想通貨の税金」に関する知識

確定申告はいつからいつまで?知っておきたい「仮想通貨の税金」に関する知識

ASTRも管理できる「Polkadot{.js}」のウォレット作成方法|画像付きでわかりやすく解説

ASTRも管理できる「Polkadot{.js}」のウォレット作成方法|画像付きでわかりやすく解説

人気のタグから探す