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アフリカのフィンテック革命が止まらない

「アフリカ」この4文字を読んだ時、失礼ながら私たち日本人がイメージする言葉といえば「奴隷」「貧困」「紛争」などネガティブなイメージが強いと思います。しかし、今アフリカでは黒人奴隷解放以来の革命が起きています。それが「フィンテック革命」です。アフリカで最もモバイルマネーが動いている「ナイジェリア」では、すでに年間に「2000億円」を超える金額の仮想通貨(Cryptocurrency)が取引されています。今のアフリカは、以前の私たちが考えるような後進国ではなく「世界NO.1」のフィンテック成長地域だと言われています。
今回は、中国とインドの陰に隠れて日本ではなかなか話題にならない、しかし恐ろしいほどの成長をし続けているアフリカのフィンテック事情についてお話ししていきます。

ビットコインとアフリカの最高の相性

ビットコインには「送金手数料がほぼかからない」というメリットがあります。アフリカに現金を送金する場合、平均送金手数料は送金金額の「12%」も取られてしまいます。
10万円を送金すれば、送金手数料だけで「1万2000円」
1000万円送金すれば「120万円」も送金手数料がかかってきます。
この問題は送金する通貨をビットコインに変えるだけで解決します。

またアフリカでは「銀行口座」そのものを作るにも、開設料金・維持費・手数料と私たち日本とは桁違いに高い料金が掛かり、さらには銀行そのものの数が少なく、ATMなどの「口座を使用する環境」自体も整っておりません。これはアフリカで銀行を維持することがそれだけリスクが高いという事の表れなのでしょうが、これでは一般市民、とりわけ貧しい人は「銀行口座」すら持てず、不便な生活のままビジネスチャンスにも掴みとれないという「貧しさからの脱却」がより難しくなってしまいます。
しかし、ビットコインの様に銀行口座すら必要とせず、自由にお金の取引ができる通貨であれば、アフリカ全土の人々の生活の質が一気に向上することは想像に難しくないと思います。

フィンテック×アフリカが面白い理由

アフリカのフィンテック革命が面白いのは「突如フィンテック革命」が起きた事です。
例えば日本の場合、便利なものがない状態から、電気や水道などのライフラインができ、道路や電車が通り、高層ビルを作り、携帯電話を持ち出して、インターネットが広まり、スマホを持ち出してようやく、フィンテック技術に触れています。しかし、アフリカではその様な「段階的な生活の向上」をすっ飛ばしていきなり「フィンテック革命」です。
これは日本やアメリカでは絶対に見られない非常に面白い現象が今アフリカで起きています。今後アフリカでは、日本では誕生しない様な革新的なサービスが生まれる可能性もあります。

身分証を持たない人々

アフリカのフィンテック市場で期待されていることが「身分証」としての役割です。アフリカでは免許証などの身分証などを管理するインフラが整っておらず、自分を証明する手段がない人々が大半だと言われています。こうした身分証の証明として活躍できるのが「イーサリアム」などの証明書として使用できる仮想通貨です。
現在、アフリカのインターネット普及率は 30%と低いですが、それでも数千億円のお金が動き、オンライン人口は 3億人を超えている状態です。アフリカの全ての人々がネットに繋がった時、ネット上で身分証を作り、ネット上で銀行口座を持った時、想像もできないほどの巨大な市場がそこに誕生するでしょう。今もアフリカでは、オンライン人口が爆発的に増え続けている状態です。

格安スマホ×アフリカの13億人

現在のアフリカ全土の人口は「13億人」ほどで「10億人」がこれからインターネットに繋がってきます。この残りの10億人を求めて「格安スマホ」を製品化して各携帯会社もアフリカへ乗り込んで行っています。アフリカで販売されているスマートフォンで最も安い機種は1ドル以下で販売されているものもあり、恐ろしいスピードで普及し続けています。
アフリカでは格安のスマートフォンが主なオンラインの手段で、ほとんどの人々にスマホが行き渡り、13億人が一斉にネットを使い出した時、中国、インドを超えたフィンテック市場になることは間違い無いでしょう。アフリカのフィンテック革命は未だ始まったばかりです。