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ビットコインETF否決2つの理由と新事実

3月10日のビットコインETFの承認拒否の騒動からしばらく…
「否決=下落」と多くのアナリストが予測していたが大きな下落も無く、むしろ現在の市場は強気に振れて高値で安定している状態だ。
否決にも関わらず市場が強気になっているということは、
「今のビットコインの勢いの前には、ETF すらいらなかったのではないか?」という話題も出てきた。

SECがビットコインETFを否決した理由

ビットコインETFを拒否したのは、米国証券取引委員会(以下、SEC )だが、彼らはビットコインのシステムに 2つの不満を持っていた。
1つは「取引中の保証ができない」こと、もう 1つは「取引の監視ができない」こと、
以上2つの理由があると公表している。(以下、SEC の公式文書)
「委員会は、本法規則の第6(b)(5)条に合致する提案が見つからないため、この提案された規則変更を却下している。国家証券取引所は、不正行為や不正行為を防止し、投資家と公益を守るように設計されなければならない。」
ビットコインのシステムは、取引中に起きた事故・取引ミスなどの責任は、全てユーザーが受け持つことになっている。
例えば銀行振込時、振込先を間違えた場合、送金者は銀行に問い合わせることで間違いの確認や保証の適用が可能になるが、ビットコインにはその仕組み自体が存在しない。
しかし、SEC が取引の保証をした場合、投資家に対して保証の義務が出てくる。
ビットコインETFでは、それが現段階では不可能だと SEC は判断したようだ。
また、「ユーザーが特定できない」ことも問題としてあげており、監視ができないことで、先ほどの保証やそれ以外の投資家を守るための安全設計が構築できないと公表している。

ビットコインETFは必要だったのか?

ビットコインETFを導入する最大のメリットは「短期間で市場が拡大すること」である。
アナリストたちの予測では、ETF が承認された場合市場は数倍〜数十倍に膨れ上がると考えられていた。
今のビットコイン時価総額が 2兆円なので、導入後 10〜100数十兆円に市場が拡大する。
ETF が承認された場合、市場は一気に拡大できるのでメリットは大きい。しかし、否決されても市場が縮小するわけではないので、その部分が強みだとも言える。
「承認=市場規模拡大」だが「否決=現状維持」なので、大きなメリットはあっても、デメリットは限りなく小さい。
相場の価格が戻ってきているのも、そこに気がついた投資家が下落のタイミングで「買い」に走ったからだろう。
今の市場を見ると、ETF は「承認されることに越したことはないが、否決でも構わない」という意思表示をしているように思える。
今回は否決になったがシステムの改善が進めば、SEC が公表している問題点は解消され、将来ビットコインETF は市場に導入されるだろう。
そう考えると、今回の否決はそこまで大きな問題ではなかったとも言える。