「過去のデータがBTC価格下落を示している」と説明
ビットコイン(BTC)の価格予想では10万ドル超えを期待する意見が数多く出ていますが、2018年のビットコイン暴落予想を的中させたことでも知られるピーター・ブラント氏は、2024年4月26日に公開したブログ記事で「ビットコイン価格が3万ドル付近まで暴落する可能性」について警告しています。
ピーター・ブラント氏は、40年以上の経験と72万人以上のXフォロワーを有するベテラントレーダー・アナリストであり、現実的かつ的確な価格予想・市場分析を発信していることでも知られています。
なお、同氏はビットコインに対して否定的な意見ばかりを語るような人物ではなく、過去にはビットコインを「価値の保存手段」として評価している他、「2025年9月までに20万ドルまで上昇する」との予測も示しています。
ピーター・ブラント氏は記事の冒頭で『悪いニュースを伝える立場になるのは嫌いだが、データはデータだ』と説明した上で、現在のビットコインについて以下のようなことを説明しています。
ブラント氏の過去の予想はこちら
勢いを失いつつあるビットコイン
事実として、ビットコインの強気相場サイクルは長年にわたって勢いを失ってきている。このデータが好きか嫌いかは別として、BTC投資家はこれを考慮して調整するか無視するかを決定する必要がある。
ピーター・ブラント氏自身もビットコインに最大規模の投資ポジションを割り当てているため、今回のデータを嬉しく思ってはいないが、データはデータなのでしっかりと対処する必要がある。
ビットコインではこれまでに4回の強気サイクルがあり、今回の価格上昇は5回目の強気サイクルに当たるが、その価格上昇率を比較すると上昇の勢いが衰えてきていることがわかる。
強気サイクル期間 | 価格上昇率 |
2009年12月21日〜2011年6月6日 | 3,191倍 |
2011年11月14日~2013年11月25日 | 572倍 |
2015年8月17日~2017年12月18日 | 122倍 |
2018年12月10日~2021年11月8日 | 22倍 |
2022年11月21日~ |
現在の最高値は
2024年3月14日に記録された 73,835ドル |
指数関数的減衰の脅威
このようなビットコインの動きは指数関数的減衰(Exponential Decay)と呼ばれるもので、現在はこの指数関数的減衰が醜い姿を表している。
- 2011年〜2013年までのサイクルの大きさは、2009年〜2011年のサイクルの約20%だった
- 2015年〜2017年までのサイクルの大きさは、2011年〜2013年のサイクルの約20%だった
- 2018年〜2021年までのサイクルの大きさは、2015年〜2017年のサイクルの約20%だった
このような傾向を現在のビットコインに当てはめると、今回の強気サイクルで記録される価格上昇率は約4.5倍(2018~2021年の強気相場で記録された価格上昇率22倍の約20%)ということになる。
ビットコインは既に最高値を記録済み?
現在のビットコインの強気サイクルの安値を15,473ドルとすると、今回の強気サイクルの高値は72,723ドル(約1,133万円)になると予想されるが、この価格には2024年3月時点で既に到達している。
『半減期の影響はどうなるのか?』と質問する意見が出るとは思うし、これまで通りに半減期後の価格上昇が起きる可能性はあるが、現時点ではこの「指数関数的減衰」という事実に対処する必要がある。
これを信じたくないと思う人も多いとは思うが、これは実際に起きてしまった事実であるため、しっかりと考慮しておくことが重要となる。
ピーター・ブラント氏自身は「ビットコインが今回の強気サイクルで既に最高値を記録している可能性は25%」だと考えている。
BTC価格は「30,000ドル台」まで下落する?
もしもビットコインがピークに達した場合、次に何が起こるかはピーター・ブラント氏自身にも全くわからない。そしてもちろん何の手掛かりもない。
しかしブラント氏は、ビットコインがピークに達した場合はビットコイン価格が「30,000ドル(約467万円)台」または「2021年の安値」まで下落する可能性があると予想している。
古典的なチャート分析の観点からみると、そのような下落は長期的には最も強気な傾向として捉えることができる。同様のチャート構造の例を見たい場合は「2020年8月〜2024年3月までの金価格チャート」を見ると良い。
BTC価格は60,000ドル台で低迷中
ビットコイン(BTC)では「現物ビットコインETFの取引開始・第4回目となる半減期の到来・企業や国家レベルの巨額投資」などといった価格上昇を期待させる様々なニュースが報じられています。
現物ビットコインETFと半減期の組み合わせは「需要増&供給減」という結果につながり、大幅な価格上昇をもたらすと期待されていましたが、記事執筆時点のBTC価格は約62,000ドル(約965万円)にとどまっています。
現在語られているビットコイン価格予想の多くは「大幅な価格上昇」を予想するものが多いですが、ピーター・ブラント氏は2018年の仮想通貨バブル崩壊を的中させた人物であり、BTC価格上昇の勢いが衰えてきていることも事実であるため、大幅下落の可能性を考慮することも重要であると考えられます。