仮想通貨が下落軌道から抜け出すのはいつ?
仮想通貨取引所BitMEXの元CEOアーサー・ヘイズ氏が、2024年8月13日に公開した最新のブログで、仮想通貨市場の今後の展望について興味深い分析を発表しました。ヘイズ氏は、市場の流動性が仮想通貨価格の主要な推進力になると指摘し、今後の強気相場の可能性を示唆しています。
ヘイズ氏によると、仮想通貨市場の本格的な強気相場は2025年に始まる可能性があります。彼は「基本シナリオ」としてビットコイン価格が100万ドルに達すると予測しています。この強気な見通しの背景には、米国と中国の金融政策が大きく関わっているとヘイズ氏は分析しています。
特に注目すべきは、米国の金融政策と仮想通貨市場の関係です。ヘイズ氏は、米国財務省の動きがFRBよりも重要だと指摘し、ジャネット・イエレン財務長官の政策が市場に大きな影響を与えると予想しています。具体的には、今年9月から年末にかけて約3,010億ドル(約44.2兆円)の短期国債が発行され、市場の流動性が最大化されると見ています。
この流動性の増加は、11月の米国大統領選挙と密接に関連していると指摘されています。ヘイズ氏は、政府が選挙結果に影響を与えるために、市場に流動性を注入する可能性があると述べています。ただし、選挙結果自体については「コインを投げて決めるようなもの」と慎重な姿勢を示しています。
短期的には、9月に仮想通貨市場が横ばいと下降の軌道から抜け出す可能性があるとヘイズ氏は予想しています。しかし、本格的な強気相場は2025年まで待つ必要があるかもしれません。彼は、政府の債務上限が引き上げられるのは2025年1月か2月と予想し、その後財務省とFRBから「流動性が溢れ出る」と考えています。
BTC・ETHの価格上昇が鍵?
アルトコイン市場については、ビットコインとイーサリアムがそれぞれ70,000ドル(約1,040万円)と4,000ドル(約59万円)を「決定的に」突破した後にのみ回復すると予測しています。
ソラナについては250ドル(約37,000円)を超える可能性があるとしていますが、その影響力はビットコインやイーサリアムほど強くないと述べています。
ヘイズ氏は、投資における流動性の重要性を「美味しいコーヒーを淹れるための良質な水」に喩えて強調しています。彼は、FRBのリバースレポプログラム(RRP)とビットコイン価格の相関関係を示すグラフを提示し、より広範な金融システム間の資金の動きを追うことの重要性を指摘しています。
最後に、ヘイズ氏は中国の動向にも言及し、米国の金融政策を受けて中国も「待望のバズーカ財政刺激策を解き放つ」と予想しています。これにより、「2025年の米中仮想通貨強気相場は素晴らしいものとなるだろう」と結論付けています。
仮想通貨投資家にとって、これらの分析は貴重な洞察を提供していますが、市場の不確実性を考慮し、慎重な判断が求められます。
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