仮想通貨ATM13台と現金4,000万円相当を押収
ドイツの規制当局であるドイツ連邦金融監督庁(BaFin)が、違法に運営されていた仮想通貨ATMを押収したと2024年8月20日に発表しました。
発表によると、ドイツ連邦金融監督庁・連邦刑事警察局(BKA)・地元の法執行機関などが連携し、ドイツ全土にある仮想通貨ATMに対して取り締まりを行いました。押収対象となった仮想通貨ATMは13台で、押収した現金は約4,000万円に相当します。
押収対象となった仮想通貨ATMの運営者は違法に機械を設置し、銀行法に基づいて登録を行っていませんでした。違法に仮想通貨ATMを設置した運営者には、最長で5年の懲役が科せられる可能性があります。
また、ドイツ連邦金融監督庁は一部のATMが犯罪目的のユーザーを引き寄せる可能性についても言及しています。約160万円を超える現金を受取る場合はKYCが必要であり、準拠しないサービスにはテロ資金・マネーロンダリングなどのリスクが見られると指摘しています。
仮想通貨ATMに逆風?
仮想通貨ATMのデータを収集しているCoin ATM Radarによると、2024年の上半期では世界全体での仮想通貨ATMの数は安定的に増えていました。
しかし、7月に440台の仮想通貨ATMが減少した影響で、2024年に継続していた仮想通貨ATMの増加傾向がストップしています。米国での仮想通貨ATMの閉鎖が、要因の1つとしてみられています。
米国では、2023年から仮想通貨ATMへの逆風が見られます。例えば、2023年5月にはATMを運営する「ビットコイン・オブ・アメリカ」が、ライセンス不足ためコネチカット州での運営を停止する事例が見れました。こういった取り締まりの影響などもあり、米国では2023年7月に約4,000台の仮想通貨ATMが閉鎖する事例も見られています。
米国のシークレットサービスのサイバー詐欺・マネーロンダリングなどの対策を行う当局では、2023年から継続的に仮想通貨ATMを使用した犯罪について調査を続けています。
ただし、増加傾向にある国も見られます。その1つがオーストラリアです。オーストラリアでは、2023年から継続して仮想通貨ATMが増加しています。2024年5月には70台、6月には52台の仮想通貨ATMが設置されました。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ユーロ=162.26円)
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Souce:BaFin公式発表
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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