SECの警告と返済計画の課題
米証券取引委員会(SEC)は2024年8月30日、破綻した仮想通貨取引所FTXの債務返済計画に警告を発しました。
SECは、FTXがステーブルコインなどのデジタル資産を使って債権者に返済する計画に疑問を呈しています。特に「仮想通貨証券」の扱いについて、法的観点から異議を唱える可能性を示唆しました。
SECの提出書類では、FTXの資産に含まれる「暗号資産証券」を用いた返済や収益化の試みに対し、法的異議を唱える権利を留保すると警告しています。また、ステーブルコインでの返済が承認された場合、配布の実施者が計画で明確にされていない点も指摘されました。
FTXの返済計画と管理費用の問題
FTXの現在の計画では、債権者への返済は現金か米ドルペッグのステーブルコインで行う予定です。これはBlockFiやGenesisの破産処理とは異なるアプローチです。
FTXのCEOであるジョン・レイ3世と法律顧問のサリバン・アンド・クロムウェルは、取引所の再開案を却下しており、新たな投資家を見つけるのは難しいと判断しています。
SECは、FTXの債務者を将来の法的措置から守る免責条項にも反対しています。米国の破産管財人も同様の立場を取っており、債務者に免責を与えず、免責の差し止めを撤回しない限り、裁判所は計画を承認すべきではないと主張しています。
FTXの破産手続きにかかる管理費用が急増しており、専門家の集計によると、スタッフへの手数料だけで8億ドル(約1,160億円)を超えたとのことです。
FTXのプロフェッショナル料金は現在8億ドルを超えており、1日あたりの料金は平均で130万ドルを超え続けています。
この巨額の管理コストが、債権者への最終的な返済額を減少させる懸念があります。
仮想通貨業界への影響と今後の展開
Found.xyzやFigure Marketsなどの分散型マーケットプレイスでは、今年の夏にFTXの債権をトークン化して取引するサポートを開始しました。ある仮想通貨CEOは、これを「最も仮想通貨らしい」行動の一つと評しています。
FTXの破綻は、同社のネイティブトークンFTT(FTX Token)の価値暴落を引き起こし、仮想通貨市場全体に影響を与えました。
この事態は、仮想通貨業界の規制環境が新たな局面を迎えることを示唆しており、SECと仮想通貨企業間の「仮想通貨証券」の定義や取り扱いに関する今後の展開が注目されています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=145.34円)
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執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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