スイス最大の州立銀行であるチューリッヒ州立銀行(ZKB)が、個人顧客向けに仮想通貨の取引・保管サービスを提供開始したことが明らかになりました。
チューリッヒ州立銀行(ZKB)は、総資産が2,000億スイスフラン(約34兆円)を超えるスイス第4位の大手銀行であり、現地ではツルヒャー・カントナルバンク(ZKB)として知られています。
ZKBはドイツ取引所の子会社であるデジタル資産ブローカーの「Crypto Finance」との提携を通じて仮想通貨関連サービスを提供するとのことで、ZKBの顧客は既存のモバイルアプリやeバンキングを通じて、24時間365日いつでも仮想通貨を直接取引できるとされています。
取引・保管できる仮想通貨はビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の2銘柄で、同サービスは個人顧客と第三者銀行の両方を対象にしているとも報告されています。
本日より、チューリッヒ州立銀行はビットコインとイーサリアムの取引および安全な保管サービスを提供します。このサービスは既存のチャネルにシームレスに統合されており、顧客および他の銀行にも対応しています。
そのため、スイスの他の銀行も顧客に仮想通貨の保管・取引サービスを提供することが可能になるとのことで、トゥールガウ州立銀行は同サービスを利用する最初のパートナー銀行になったとも伝えられています。
ZKBのアカウントで保有する仮想通貨は既存のポートフォリオビューで確認することが可能で、仮想通貨の管理で必要となる秘密鍵はZKBが安全に保管するため、顧客や第三者銀行は自分でウォレットを用意する必要がなく、秘密鍵を管理する必要もないとのことです。
チューリッヒ州立銀行は以前から暗号資産・ブロックチェーン関連の取り組みを進めている銀行で、2021年にはスイスのSIXデジタル取引所(SDX)で世界初のデジタル債券発行に参加しています。
スイスの銀行では仮想通貨関連サービスの拡大が続けられており、今年7月にはスイス国有の金融機関である「PostFinance」がAVAX・ADA・DOT・XRP・SOLの5銘柄に新規対応したことも発表されています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1スイスフラン=170円)
仮想通貨の採用が進むスイス
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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