世界経済の潮流がビットコインを押し上げる可能性
暗号資産リサーチ会社10x ResearchのMarkus Thielen CEOは、2024年9月26日に公開したレポートで、ビットコイン(BTC)価格が10月末までに過去最高値を更新する可能性があると分析しました。
Thielen氏によれば、ビットコイン価格上昇の背景には以下のような要因があるといいます。
- 米国の金融政策転換
- 中国による景気テコ入れ策
- ステーブルコイン発行量の増加
- 韓国の個人投資家による取引増
特に中国の動向が目を引きます。最近の利下げや現金給付といった景気刺激策が、仮想通貨市場にも好影響を及ぼす可能性があるとThielen氏は見ています。
中国のOTC(相対)取引では、過去6四半期で約1,200億ドル(約17兆円)の資金流入があったとのことです。また、中国のマイニングプールがビットコインのハッシュレートの55%を占めている点も、中国の金融政策が仮想通貨市場に与える影響の大きさを示唆しています。
Thielen氏はまた、分散型金融(DeFi)セクターの活性化を示す兆候として、ステーブルコインUSDCの発行量が大幅に増加していることを挙げました。7月の米FOMC(連邦公開市場委員会)会合後、米国債10年物の利回りが4%を下回ったことも、DeFiの活性化に寄与したと分析しています。
投資家心理の変化と今後の展開
ビットコインの値動きが落ち着いてきたことで、機関投資家などの大口参加者が動きやすくなっているとThielen氏は見ています。この環境変化が、市場への資金流入を促す可能性があります。
Thielen氏のレポートタイトル「FOMOが戻ってきた。あなたは次の波に乗るために十分なビットコインとアルトコインを所有しているか」が示すように、投資家心理の変化も見逃せません。FOMOとは「取り残される不安」のことで、相場上昇時に強まる傾向があります。
ビットコイン価格が6万5,000ドル(約923万円)を超えれば、他の仮想通貨(アルトコイン)市場でもFOMOが広がり、さらなる相場上昇につながるかもしれないとThielen氏は予想しています。
このように、様々な要因が絡み合って仮想通貨市場を盛り上げている様子がうかがえます。ただし、市場の変動は激しいため、投資判断の際には慎重な分析と自己責任が求められます。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=142.52円)
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Souce:10x Researchレポート
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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