未登録証券の販売・市場操作・詐欺などの指摘
米国証券取引委員会(米SEC)が「Saitama Inu」と「Robo Inu」と呼ばれるミームコインを発行・販売した個人に対して訴訟を提起したことが明らかになりました。
米SECは2024年10月15日にこのことを発表しており、「SECは暗号資産であるSaitama InuとRobo Inuの市場操作に関与したとして、カリフォルニア在住のVy Phamを詐欺容疑で提訴した」と報告しています。
これらのミームコインは「証券として一般投資家に提供・販売されていた」と指摘されていて、「活発な取引市場が存在するかのような虚偽の印象を与え、投資家を誘引することを目的としていた」との指摘もなされています。
米SECの公式発表では、Vy Pham氏が行った複数の行為の問題点が指摘されていて、具体的には以下のような指摘がなされています。
- 証券として提供・販売されていた2つの暗号資産「Saitama Inu」と「Robo Inu」の市場操作に関与した。
- 「Saitama Inu」と「Robo Inu」は未登録証券に該当するもので、一般投資家にとして提供・販売されていた。
- Saitama Inuの市場操作に個人的に関与し、他のプロモーターと連携して購入を行い、関心が急速に高まっているようかのように装って、新たな投資家を引き寄せた。
- Saitama Inuの市場操作で関心が高まった後、Vy Pham氏は他のプロジェクトリーダーとの不和が生じ、プロジェクトから離脱してSaitamaトークンを売却した。
- Robo Inuに関しては「Gotbit Consulting LLC」という市場操作をサービスとして提供する業者を雇い、人為的に取引量を作り出したり、価格を操作したりした。
- Vy Pham氏の行動は市場の健全性を損ない、虚偽の取引量と価格に騙された投資家に損害を与えた。
利益の返還・民事罰・活動停止などを求める
米SECはこのような問題点を指摘して「恒久的な差止命令、行為に基づく差止命令、不当利得とされる利益の返還と判決前利息、民事罰、役員および取締役としての活動禁止」を求めています。
仮想通貨業界では誰でも簡単にミームコインを発行できるツールなども提供されているため、現在は非常に多くのミームコイン・仮想通貨が発行・取引されています。
今回の訴訟は「未登録証券の提供や販売・市場操作・詐欺」などに関するものですが、同様のケースに該当すると思われるミームコインはこの他にも多数存在するため、今後はこのような事例がさらに増加していく可能性があると予想されます。
仮想通貨規制にはまだ不明瞭な部分も多く、業界関係者からは「規制の明確化」を求める意見が以前から出てていますが、必要な手続きや申請などを行わずにミームコインや仮想通貨を発行・販売した場合には後から提訴される可能性もあるため、仮想通貨の発行を検討している場合は個人でも注意が必要です。
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Souce:米SEC公式発表
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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