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自律走行車両にブロックチェーン活用|情報収集時の「プライバシー問題」に対処:IBM


IBMが出願した「自律走行車両のデータや相互作用を関するためのブロックチェーン技術を活用したシステム」に関する特許が2019年4月2日に米国特許商標庁によって公開されました。公開された書類には、自動運転車両を開発するためのデータを収集する際に、他のドライバーのプライバシーに配慮しつつデータを扱うための方法などが概説されています。

こちらから読む:自動運転車両の開発に活用される「ブロックチェーン技術」とは?

「自律走行車両」と「一般自動車」の挙動を予測

IBMはこれまでにも自律走行車両に関連するさまざまな発明の特許を出願しています。同社はブロックチェーン技術を用いたシステムを活用してプライバシーを保護し、情報の検証を行えるようにすることで、自律走行車両のシステム構成を効果的に強化することができると説明しています。

公開された特許には「この発明は、自律走行車両および近くのドライバーの特徴を評価し、周辺車両の挙動を予測することに関する」と説明されています。

IBMは、自立走行車両のメリットとしては「運転免許証を取得する必要がなくなること」や「不規則な運転・事故の危険性を排除できる可能性があること」などといった複数の点があるものの、実際に発売される車両は”非常に高額なものになる”と予想されるほか、”自動車を運転したい”という人々の感情は消えないだろうと説明しています。

そのため、自動運転車両が実用化されたとしても、実際には多くの人々が自分で運転する車で道路を通行していることになるため、実際には「自立走行車両同士の相互作用」よりも「自立走行車両と人間が運転する車の相互作用」を研究することが重要になるだろうと予測しています。

ブロックチェーンで「プライバシーに配慮した」データ管理

今回公開された特許では、幅広いセンサー技術を使用して近くのドライバーの行動を評価するために使用できる様々なパラメーターや近隣の車両・ドライバーの予測、実際の操縦に基づいてリスク評価を最適化するための方法などが概説されています。

ドライバーの行動データの「観察/検出/検知」は、運転者の車両に備えられているセンサーによってリアルタイムに収集された後にクラウドデータハブにアップロードされ「Mobility Information Hub(MIH)」として指定されます。

車両データを収集して扱うためには他のドライバーのプライバシーなども考慮する必要があるため、IBMは収集されたデータをブロックチェーン技術で管理することによって、プライバシーを保護しつつ、それらのデータを効率的に活用できる環境を構築することを提案しています。

この特許では、自動走行車両がブロックチェーンのクライアントアプリケーションを使用して「近隣車両のナンバープレート」をスキャンすることによって、対象となるドライバーの行動予測にリアルタイムでアクセスするための方法などが説明されており、これらのデータには許可されたもののみがアクセスできるようにするシステムが採用されることになるだろうとされています。

自動車業界では、ブロックチェーン技術の活用が急速に進められていますが、その中でも自動運転車両の開発では特に積極的にこの技術が取り入れられています。「事故の危険性のない自律走行車両」を完成させるためには膨大なデータを収集して、詳しく分析することが必要不可欠となります。ブロックチェーン技術はこのような作業を行うために必要不可欠な存在になりつつあります。

>>米国特許商標庁が公開した「IBMの特許」はこちら


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