ドイツに本社を構え160年以上の歴史を有している総合テクノロジー企業「Siemens(シーメンス)」は、同社が手掛けている様々な分野の事業にブロックチェーン技術を活用していくことを検討していると伝えられています。具体的な活用法を模索している同社は、現在「カーシェアリング」への技術活用を検討しているとされています。
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ブロックチェーン技術の活用法を模索:シーメンス
ドイツ・ミュンヘンに本社を構え、電子機器の製造、情報通信、電力関連、交通、医療、防衛、生産設備、家電製品などといった様々な分野で事業を手掛けている世界的大手企業「Siemens(シーメンス)」は、輸送などの複数の分野でブロックチェーン技術を活用することを検討していると伝えられています。
Forbes(フォーブス)の報道によると、同社はこれまでに様々な分野におけるブロックチェーンのユースケースについて調査を行なってきており、現在は実用的と考えられる分野の中から同社の事業にマッチした分野に焦点を絞っている段階だとされています。
シーメンスのサイバーセキュリティ・ブロックチェーン部門で責任者を務めているAndreas Kind(アンドレアス・カインド)氏は具体的な内容として、同社が子会社の1つである「Siemens Mobility」を通じてブロックチェーン技術をカーシェアリングに活用していくことを検討していると述べています。
「給油カード管理」や「車のロック解除」などに活用
現在のカーシェアリングに潜む問題点としては、「給油カード」に関する事柄が挙げられています。自動車をレンタルした人々は給油カードを使用してガソリンを給油することができますが、このようなカードは”特定のガソリンスタンド”でしか利用できない場合が多く、時には盗まれてしまうこともあります。
給油カードが盗まれてしまった場合には、インターネット上で売られてしまう可能性もあるため、会社にとって解決すべき問題の一つとなっていますが、カインド氏はこのような問題もブロックチェーン技術で解決することができると考えており、この他にも「車のロック解除」のような面で取り入れる可能性があることも語っています。
同社はこの他にも様々な面でブロックチェーン技術を活用していくことを検討しており、Bosch(ボッシュ)が今年5月に開催した「ConnectedWorld 2019(コネクテッドワールド2019)」ではブロックチェーン技術を活用できる1つの例として”ブロックチェーンベースのスマートパーキング“という概念を挙げています。
シーメンスは、サプライチェーンや製造の分野でのブロックチェーン活用法も検討しており、現在はパーミッション型(許可型)ブロックチェーンの使用を検討していると伝えられていますが、現在はまだ調査とテストを行なっている段階であると報告されています。
自動車関連のサービスをブロックチェーン技術で効率化しようとする動きはすでに様々な大手企業によって進められているため、今後はこれらの分野の競争も激しくなっていくと予想されます。