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日本銀行「中央銀行デジタル通貨・決済システム」のフォーラム開催へ【参加者募集中】


日本銀行は2020年2月27日に「決済の未来フォーラム:中銀デジタル通貨と決済システムの将来像」と題した中央銀行デジタル通貨(CBDC)や決済システムに関するフォーラムを開催することを発表しました。日銀は現在、このフォーラムの参加者を募集しています。

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日銀「決済の未来フォーラム」開催へ

日本銀行は、2020年2月27日に「決済の未来フォーラム:中銀デジタル通貨と決済システムの将来像」と題したフォーラムを開催します。

このフォーラムは、有識者との議論を通じて『リテール(個人向け)とホールセール(大手法人向け)の両方で既存の決済システムの問題点をどのように改善していくべきか』や『中央銀行デジタル通貨(CBDC)発行のメリットやリスクをどう考えるか』についての理解を深めていくことを目的としており、現在はそのための参加募集が行われています。

日本銀行本社で開催されるこのフォーラムでは、会合が14時00分〜17時40分から、懇談会が17時50分から行われる予定となっており、ディスカッションは、
1.リテール決済サービスの市場構造
2.ホールセール決済における技術革新
3.クロスボーダー送金の新たなスキーム
の3部に分かれています。

募集されている参加者は「金融機関・企業・大学などで決済に携わっている方」となっており、募集人数は「最大150人程度」、応募締め切りは「2020年2月14日まで」となっています。

デジタル通貨の需要増加に備え「調査・研究」を継続

日本銀行は今回の発表の中で「過去1年間における決済関連のニュースの中で最も話題になったのはLibra(リブラ)のようなステーブルコインだった」と述べた上で、「ステーブルコインは決済サービスを改善させる潜在力を持っている一方で、マネーロンダリング、サイバーリスク、データ保護、消費者・投資家保護などといった様々な課題を解決しなければ利用者はメリットを持続的に享受できない」と指摘しています。

また、ステーブルコインが国際的に普及して各国で自国通貨ではない”独自通貨建ての取引”が増加した場合には「金融政策の波及効果が弱まり、金融システムの安定が損なわれる可能性も考えられる」とも指摘されています。

日本は他国と比較すると現金の需要が高いことで知られていますが、日銀は「技術革新や決済を巡る環境変化は激しく、中銀デジタル通貨に対する社会のニーズが急激に高まることも考えられるため、そのような事態に的確に対応できるよう、デジタル通貨の調査・研究を継続的に進めていく方針だ」と説明しています。

「既存決済システムの改善」も視野に議論

日本銀行は「ステーブルコインのような民間主導のプロジェクトは、既存の決済サービスの問題や欠点に着目して生まれてきている」ということも説明しており、Libraのような「リテール決済を対象としたもの」に加えて「民間主導のホールセール型ステーブルコイン」が発行されてきている事実を『ホールセール決済システムの改善の必要性を中央銀行に投げかけていると認識している』と述べています。

ホールセール決済を対象としたデジタル通貨の利用用途としては、
・金融機関間の大口資金決済
・トークン化した証券の資金決済(DvP決済)
・他通貨との外為取引決済(PvP決済)
などが挙げられるため、日銀は「中銀預金を用いる既存のRTGSシステム(*1)をどう改善していくべきか」や「新たにホールセール型中銀デジタル通貨を発行すべきか」などが論点になると説明しています。

(*1)RTGSシステム(即時グロス決済システム):中央銀行における金融機関間の口座振替の手法の一つ。金融機関が中央銀行に持ち込んだ振替指図が中央銀行に持ち込まれ次第、1つ1つ直ちに実行される決済システム。

日銀は昨年まではCBDCの発行について消極的な姿勢を見せていましたが、最近ではCBDC発行も視野に入れた上で調査・研究を行っていることが報告されています。先月末には、自民党の調査会や議員連盟がデジタル通貨発行を視野に入れた取り組みを開始したことも報告されているため、2020年は日本国内でもCBDC関連の取り組みが加速していくことになると予想されます。

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