大手自動車会社「Volvo Cars(ボルボ・カーズ)」は2020年7月8日に、同社のベンチャーキャピタル部門である「Volvo Cars Tech Fund」を通じてブロックチェーン企業である「Circulor(サーキュラー)」に出資したことを発表しました。
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「絶縁材料のサプライチェーン管理」などを検討
Volvo Cars(ボルボ・カーズ)がベンチャーキャピタル部門を通じて出資を行った「Circulor(サーキュラー)」は、ブロックチェーン技術を活用したサプライチェーン管理に関するサービスを提供している企業であり、同社のブロックチェーンには「Oracle(オラクル)社」が開発するオラクルブロックチェーンプラットフォームが利用されています。
「Circulor」と「Volvo Cars」はブロックチェーン技術を用いて電気自動車(EV)のバッテリーで使用されるコバルトのトレーサビリティを高めるために2019年から協力しており、現在はVolvo Carsのバッテリーサプライチェーン全体で「Circulor」のブロックチェーン技術を活用、最初の完全な電気自動車である「XC40 Recharge P8」で使用されているコバルトのトレーサビリティを100%実現していると報告されています。
Volvo Carsは『今回の出資によって両社はコバルト以外にも目を向けることができるようになる』と述べており、具体的な例として『バッテリーパックの絶縁材料として使用される鉱物である”マイカ(雲母)”のトレーサビリティ向上なども検討している』と説明しています。
また、両社は「二酸化炭素(CO2)排出量の追跡・削減」などといったその他の分野にもブロックチェーン技術を活用していくことなども検討しており、そのための調査を進めていると報告されています。
なお、今回の投資は「Circulor」が行っている資金調達ラウンドの一部であり、「Volvo Cars Tech Fund」の他には「SYSTEMIQ、Total Carbon Neutality Ventures、Plug&Play」などが出資を行っているとのことです。
「Volvo Cars」の資金調達責任者であるMartina Buchhauser氏は、今回の投資について次のようにコメントしています。
私たちは環境問題・社会貢献に配慮した原材料のサプライチェーン管理に取り組んでおり、「Circulor」とのパートナーシップはその点で重要な役割を果たしています。
Circulorが現在進めている開発をサポートすることによって、当社の事業におけるブロックチェーン技術の使用を拡大し、より持続可能なビジネスに貢献することができます。
「Volvo Cars」はコバルトのサプライチェーン管理にいち早くブロックチェーン技術を取り入れていますが、現在はその他の大手自動車メーカーも同様の取り組みを進めており、大手自動車メーカーである「Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ)」もCirculorと協力してコバルトのサプライチェーン管理に取り組んでいます。