中国で4億5000万人ユーザー数を誇るモバイル決済アプリ「Alipay(アリペイ)」がついにブロックチェーン技術開発へ乗り出しました。
Alipayは世界大級の卸売り専門サイト「アリババ」のグループ会社で 、年間数千億円の取引を行う世界最大のモバイル決済アプリです。
そして今回、Alipayは長期戦略のために自社でブロックチェーン技術開発を発表しました。
中国人のスタンダード、給料振込みはAlipayで
すでに中国人の中流層は Alipayで給料を受け取り、そのまま生活用品の購入をモバイル決済で行い始めています。
また、ネットショッピングでは Alipayアカウントで決済を行い、すでに Alipayは中国人のライフスタイルにとけ込んでいます。今回Alipayがブロックチェーン技術開発に乗り出したのは「グローバル市場」へサービスの展開を行うためだと公式に発表しており、公式発表の中でAlipay Ant Financialのエリック・ジン氏は「当社はグローバル企業へ発展する野望があります。
その野望達成のためにテクノロジーを利用し、パートナーたちと向こう10年以内に世界の20億人に自社のサービスを届けます」と発言、10年以内にユーザー数を4倍に増加させる目標を発表しました。
すでにAlipayでは、中国国内で200万以上の加盟店と国外で10万以上の加盟店が存在します。
ローソンでもAlipay
コンビニのローソンの母体である日本ユニシスは 2017年1月24日にAlipayの導入を発表。
全国のローソン約1万3000店舗でAlipayが使えるようになった。
スマートフォンに表示させたAlipayのQRコードをレジのバーコードスキャナーで読み込ませることで即時決済が可能になった。
これでAlipayアプリを持つ中国人がローソンでの同アプリ決済が可能になりました。
またすでにAlipayは、ヤマダ電機、髙島屋、ドン・キホーテ、成田国際空港などで仕様が可能になっている。
Alipayとブロックチェーン
日本の三菱東京UFJフィナンシャルグループが開発したブロックチェーン技術を応用した「MUFGコイン」を始め、金融機関ではもはやブロックチェーン技術の自社開発は当たり前になってきました。
ジン氏は、Alipayのブロックチェーン技術開発成功がグローバル戦略で非常に重要な役割を果たすと公言、顧客拡大への歩みを加速させています。
特にAlipayのブロックチェーンはセキュリティ問題に注意を払っていて、ジン氏は「ブロックチェーン最大の財産はセキュリティと分散型であること」と公言。
今後は自社でAlipayに最も適したブロックチェーンを開発し、その技術をAlipayの運営のコアとする方針を決めたとも言われています。
一昔前、世界の工場として活躍した中国ならではの卸売りからのフィンテック革命の力強さを感じた瞬間でした。