MyEtherWalletで発生したDNSサーバーのハッキング被害に対する、対策や対処法を紹介します。
MyEtherWalletでハッキング被害
イーサリアム(ETH)やその他の様々なERC20トークンを保管することができるウェブウォレット「MyEtherWallet(MEW)」で、DNSサーバーのハッキング被害が出ていることが明らかになりました。
現時点では、少なくとも216.06ETH(約1630万円)の被害が確認されています。
被害の内容はこちら
今後の被害増加の可能性
今回の被害は、MyEtherWalletの問題ではなく、GoogleのDNSプロトコルによる欠陥である可能性が指摘されており、MEWだけでなく大手銀行などの様々な機関でも起こり得る可能性もあるとのことです。
仮想通貨取引所Binance(バイナンス)でも「GoogleDNS」や「Amazon Route 53」に関連した同じような問題が発生していることから、MEWのセキュリティ上の欠陥ではなく公共のDNSサーバーの脆弱性を狙った犯行であると予測されています。
ハッキング被害のための対策
被害に受けたユーザーの多くが、MEWの偽サイトにアクセスした際に表示される「SSL警告」を無視して接続を試みていることがわかっています。
このことからも、まずは基本的な対策として、MEWを使用する前には必ず『MyEtherWallet Inc』と表記された緑のSSL証明が施されていることを注意深く確認する必要があります。
MEWは『MyEtherWallet』のサービスの名を使用して「ETHを配布するというツイート」や「redditの投稿、メッセージ」などを無視することを推奨しています。
MyEtherWalletをオフライン及びローカルで実行する方法
MyEtherWalletの使用に関しては、オフラインでの使用が推奨されています。
MyEtherWalletをローカル(オフライン)で使用するための方法は次の通りです。
ダウンロードとインストール
ローカルのMyEtherWalletをセットアップするには、次のリンクからMyEtherWalletの最新版をダウンロードしてください。
>>https://github.com/
『etherwallet-vX.X.X.X.zip』をクリックすると、ファイルがダウンロードされます。このファイルをUSBスティックなどに移動して、オフラインコンピュータに移動します。
オフラインコンピュータにUSBスティックを差し込み、アーカイブ内のすべてのファイルをコンピュータに抽出します。
これで、次のファイルを含むフォルダが作成されます。
MyEtherWalletの実行
MyEtherWalletを開くには、『index.html』ファイルをダブルクリックします。
これによりブラウザが開きます。ネットワークに接続できないという警告が表示されますが、これは完全に正常です。
ローカルのMyEtherWalletでEtherやトークンの残高を確認することはできませんが、EtherscanまたはEthplorerを使用して残高を確認することはできます。
MyEtherWalletのローカルバージョンを定期的に更新することをお勧めします。MyEtherWalletは常にWebサイトを更新しています。
MyCrypoからの対処法
今回の事件を受けたMEWの姉妹サイトである「Mycrypto」は、事件発生の4時間以内にMEWにアクセスしたユーザー向けに、対処法をまとめた内容を発表しています。
発表された対処法は次のような内容となっています。
秘密鍵/keystoreファイル/mnemonic phraseを使用してアクセスした場合
etherscan.io で自分のアドレスを確認し、ハッキングの被害を受けていないかチェックする
被害を受けていなくても、資金を他のウォレットに移動する。”送金作業を行う際には、絶対にサイト上では行わないこと”
MetaMask、Ledger Nano S、Trezorを介してアクセスした場合
ハードウェアウォレットに関して考えられるトラブルは、特定の時間内に送金された資金が他の受取先に渡ってしまうことです。現時点では被害は確認されていません。
この選択肢では、取引の署名や、アカウントのアクセスの際に、秘密鍵が晒されていないため、アカウント自体は比較的安全であると言えます。
原因が解明され、詳細が明らかになるまで、MEWのウェブサイトを使用することは控えましょう。
秘密鍵、keystoreファイルを使用してアクセスしていない場合
MEWチームによって、この問題が解決されるまでMEWのウェブサイトにアクセスしないでください。
好奇心はあなたの首を締めることになります。