日本暗号資産取引業協会(JVCEA)が暗号資産取引所が新たに仮想通貨を取扱う際に行う事前審査の撤廃に向けた検討を始めたことが「ブルームバーグ」の報道で明らかになりました。JVCEAは上場前審査撤廃の適否について2022年内に結論を出すことを目指していると報告されています。
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上場前審査撤廃の適否、2022年内に結論
日本暗号資産取引業協会(JVCEA)が暗号資産取引所が新たに仮想通貨を取扱う際に行う事前審査の撤廃に向けた検討を始めたことが「ブルームバーグ」の報道で明らかになりました。
ブルームバーグが”事情に詳しい複数の関係者からの話”として報じた内容によると、JVCEAは新しい暗号資産の上場させる際の審査方法を「上場前に事前審査を行う体制」から「上場後にモニタリングを行う体制」に移行することを検討しているとのことで、上場前審査撤廃の適否について2022年内に結論を出すことを目指していると報告されています。
上場後に問題が発覚した場合には「取扱停止」などの措置をとることについても議論しているとのことですが、その一方で、企業が仮想通貨を発行して資金調達を行う新規仮想通貨公開(ICO)への適用は検討していないと報じられています。
事前審査撤廃後も「JVCEAへの届け出」は求める予定
日本の取引所における新規暗号資産取扱いでは、暗号資産交換業者の適正な業務や利用者保護を目的として「JVCEAが会員交換業者から新規上場前に届け出を受けて、自主的に適切性について確認を行う」という方法がとられていましたが、届け出から承認までに半年以上かかることも多かったため、会員からは不満の声が出ており、昨年以降から”審査の簡略化”に向けた取り組みが行われていました。
2022年3月には「3社以上の会員企業による取扱い」など一定の条件を満たした暗号資産は事前審査なしで上場可能とする『グリーンリスト制度』の導入が発表されていましたが、日本政府が7日に閣議決定した「新しい資本主義」の実行計画の中で”新規上場暗号資産の審査基準暖和”を行う方針が盛り込まれています。
なお、仮に事前審査が撤廃された場合でも「JVCEAへの届け出」は求められていく予定であるとのことで、『グリーンリストには6月1日時点で18種類の暗号資産が含まれているが、暗号資産の種類は数千以上に上る』とも報じられています。
ブルームバーグは今回の”事前審査撤廃の検討”について『JVCEAの広報担当からはコメントを得られなかった』と報じていますが、ある金融庁関係者は『骨太の方針などに審査基準の緩和という項目が盛り込まれており、JVCEAが具体的な対応策を検討していることは承知している』と述べた上で『JVCEAの方針を金融庁が承認するかどうかについては未定』だと話したとも報じられています。
日本の暗号資産取引所は海外取引所に比べると、取引可能な暗号資産の種類が圧倒的に少ないものの、新規上場暗号資産の事前審査が撤廃されれば、新しい仮想通貨の取り扱いがスムーズになり、国内で取引可能な暗号資産の種類も大幅に増えることになると期待されています。