BINANCE・KuCoin・Crypto.comなどといった複数の暗号資産取引所の資産証明で連携していた会計事務所「Mazars」が、仮想通貨関連企業の監査業務サービスを全て停止したことが複数の報道で明らかになりました。
こちらから読む:銀行の暗号資産保有関連で国際規制「暗号資産」関連ニュース
資産証明報告に関する一般の認識を懸念
複数の暗号資産取引所の資産証明で連携していた会計事務所「Mazars」が、仮想通貨関連企業の監査業務サービスを全て停止したことが複数の報道で明らかになりました。
仮想通貨業界ではFTXの経営破綻で暗号資産取引所の資産証明を求める声が強まったことを受けて、世界中の暗号資産取引所が「プルーフ・オブ・リザーブ(Proof of Reserves/PoR)」と呼ばれる資産証明の仕組みを導入しており、そのような取引所は「Mazars」のような監査法人と協力して、ユーザー資産の管理に問題がないことを証明しようとしていました。
Mazarsは「BINANCE・KuCoin・Crypto.com」などと複数の大手企業の監査で協力している会計事務所として知られていましたが、CNBCなどの報道によると、Mazarsは現在バイナンスなどを含むすべての仮想通貨クライアントとの業務を一時的に停止しているとされています。
今回の監査業務停止は「暗号資産取引所の資産証明レポートについて一般の人々がどのように理解するかについての懸念」によって決定されたものであるとのことで、Mazars GroupはCNBCに対して次のようにコメントしたと報告されています。
一般の人々がレポートをどのように理解するかについての懸念があるため、仮想通貨業界の事業者のための資産証明レポートを提供する一連の活動を停止しました。資産証明レポートは合意に基づいた手続きによる報告基準に沿って行われるものであり、保証や監査見解を示すものではありません。あくまでも、一定の手続きに基づく限定的な所見を報告しているものとなります。
Mazarsの監査業務停止を受けて、BINANCEはビッグ4を含む他の会計事務所に働きかけを行うなどの対応を行うとも報じられていますが、OKX・Gate・FTXなどの暗号資産取引所と協力していた別の会計事務所「Armanino」も仮想通貨監査サービスを終了したと報じられています。
Armaninoは2014年に仮想通貨監査サービスを開始していましたが、同社は「FTXの問題を発見できなかった」として集団訴訟に直面しているため、仮想通貨業界以外のクライアントが風評被害を避けるためにArmaninoに対して圧力をかけている可能性があるとも報じられています。