バーゼル委員会「銀行の暗号資産保有」などに関する国際規制を承認
銀行監督に関する協力・協議を行うための国際機関であるバーゼル銀行監督委員会(BCBS)が、2025年1月1日までに適用される暗号資産関連のグローバル銀行規則を承認したことが明らかになりました。バーゼル委員会は仮想通貨やステーブルコインを2つのグループに分類して規制しており、「準備金の2%までは暗号資産保有を許可すること」なども説明されています。
こちらから読む:トランプ前大統領、Polygon基盤のNFTを発行「暗号資産」関連ニュース
銀行の暗号資産保有などに関する国際基準を確定
銀行監督に関する協力・協議を行うための国際機関であるバーゼル銀行監督委員会(BCBS)が、2025年1月1日までに適用される暗号資産・仮想通貨関連のグローバル銀行規則を承認したことが明らかになりました。
バーゼル銀行監督委員会は2022年6月頃に「銀行の暗号資産取扱い」などに関する2回目の協議を行っていましたが、今回の発表ではこの協議に対する関係者からの意見を考慮した上で、委員会の監督機関である中央銀行総裁・銀行監督当局長官グループによって承認された国際基準を確定させたことが報告されています。
今回の文書はバーゼル委員会が2025年1月1日までに適用することに合意した最終的な基準を定めたものであると説明されており、この文書はまもなくバーゼルフレームワークに組み込まれる予定であるとも説明されています。
このルールは「価格変動リスクなどから金融システムを守ること」などを目的としたものであり、「ビットコインなどの裏付け資産を持たない仮想通貨を銀行が保有する場合に、仮想通貨保有額と同額の資本を積むこと」などが義務付けられています。
暗号資産・ステーブルコイン等を「2グループ」に分類
具体的には、銀行に対して暗号資産を「ステーブルコインなどが含まれるグループ1」と「ビットコインのような裏付け資産のない暗号資産を含むグループ2」という2つのグループに分類することが求められており、それぞれのグループの該当条件については以下のような説明が行われています。
【グループ1の暗号資産】
グループ1の暗号資産には「トークン化された伝統的資産(グループ1a)」や「効果的な安定化メカニズムを備えた暗号資産(グループ1b)」など、一連の分類条件を完全に満たすものが含まれる。
【グループ2の暗号資産】
グループ2の暗号資産には「分類条件に該当しないトークン化された伝統的資産やステーブルコイン」や「すべての裏付けがない暗号資産」など分類条件のいずれにも該当しないものが含まれる。グループ2の暗号資産は一連のヘッジ認識基準を用いて識別され「ヘッジが限定的に認められる暗号資産(グループ2a)」と「ヘッジが認められない暗号資産(グループ2b)」に分けられる。
なお、ビットコイン(BTC)などの主要銘柄が該当すると見られる「グループ2の暗号資産」は"高リスクな暗号資産"であるとみなされているため、グループ1が厳しい規制の対象外にされているのに対して、グループ2の暗号資産は『新たに規定された保守的な資本処理の対象になる』とも説明されています。
準備金の2%までは暗号資産保有を許可
銀行は「グループ2の暗号資産」に該当するビットコインなどの仮想通貨を保有することはできるものの、『グループ2の暗号資産に対する銀行のエクスポージャーの合計は、銀行のTier1資本の2%を超えてはならず、一般的に1%未満である必要がある』と説明されています。
つまり、今回のルールの対象となる銀行は「準備金の2%を暗号資産で保有することができる」ということになりますが、基本的に暗号資産を保有する場合は「準備金の1%未満に抑えること」が推奨されており、保有額と同額の自己資本を積むことも求められています。
このパーセンテージに関しては、以前は「1%」が提示されていたのに対して、銀行は「5%」への引き上げを要求していたため、今回はこれらの間をとった妥協点として「2%」という数字が適用されたのだと見られています。
銀行が準備金として保有できる暗号資産の割合は限られているものの、このルールが正式に適用開始されれば暗号資産を準備金として保有する銀行が増える可能性もあるため、今回のニュースには注目が集まっています。