仮想通貨ZenCash(ZEN)は、6月3日に51%攻撃を受けたことにより価格の下落が継続しています。公式の発表ではユーザーに対して資産をコールドウォレットなどに移動することなどが推奨されています。
ZenCash(ZEN)に『51%攻撃』
ZenCash(ZEN)は日本時間6月3日午前11:43頃に『51%攻撃』を受けたことを公式ブログで発表しました。
『51%攻撃』とは、不正な取引を目的した悪意あるユーザーが過半数以上のマイニング(採掘)計算能力を保持することで、ブロックチェーンのネットワークを乗っ取る行為のことです。
攻撃を受けたZenCash(ZEN)は迅速に対応し、即座に事態を調査し51%攻撃を受けていることを確認すると同時に、二重払いを最小限にとどめるため、各取引所にZENの承認時間を延ばすように依頼しています。
しかし対策が取られたときには、二重払いがすでに2度行われていたことが発覚しています。
ハッカーは19,000ZENを不正な操作によって使いまわすことで、日本円で約6,140万円に相当するの価値を得たとみられています。
価格への影響
この攻撃によってZenCash(ZEN)の価格にも大きな影響が出ています。
6月2日には3,500円近くで取引されていたZENは攻撃直後には約3000円にまで値下がりし、攻撃が落ち着いきつつある現在も下落を続けており、その価格は2,300円近くまで下がっています。
現状とユーザーに必要な対策
ZenCashチームは公式ブログで、必要な対策ととったことで別の攻撃が起こる可能性は極めて低いことを報告しています。
これと同時に取引所の一般的なセキュリティについて特に懸念がある場合は、直接取引所にお問い合わせるようにも呼びかけています。この他にもLedger Nano Sやペーパーウォレットなどで資金を保管することも推奨されています。
現在は被害を受けた取引所の協力を得てハッカーの特定や事態の分析に尽力しており、引き続きネットワークの監視を強化すると報告されており、調査結果がわかり次第しかるべき機関に報告すると発表しています。
ゼンキャッシュ(ZenCash/ZEN)とは?
ゼンキャッシュ(ZenCash/ZEN)は、2017年3月9日に公開されたブロックチェーンの技術によって得られる安全性と匿名性を、日常的な情報管理にも応用することを目指し、ジークラシック(ZClassic/ZCL)からハードフォークした仮想通貨です。
ZenCash Treasuryファンドの資金は非営利団体である「Zen Blockchain Foundation」によって管理され、システム開発や維持に利用されています。
ZenCashは、ブロックチェーンで管理することによってメタデータを漏洩の危険から守りながらプライベートな通信が行える他、分散ノードとセキュアノードによって追跡不可能な方法で通信を中継し、匿名での通信を世界中で利用することができます。
またブロックチェーン上で1対多数でのプライベートな通信も可能となっており、この機能によってプライバシーを保護しながら個人の価値を世界中に広めることができるという特徴も備えています。
ZenCashの開発チームは、次世代型メディアである『zencashpub』や次世代型ネットワークシステムである『zencashhide』の開発にも取り組んでいます。まだ具体的なスケジュールは発表されていないものの、これらの事業からは情報伝達の形としてブロックチェーン技術を積極的に活用していく姿勢が見られます。
今回の攻撃には迅速な対応を行なっているものの大きな打撃を受けたことは間違いないため、zenpubやzenhideなどの事業が今後どれくらい本格化できるかに注目が集まります。
ZenCash(ZEN)は仮想通貨取引所Binanceなどで取引されています。
(引用:zencash.com)