専門知識・能力を結集してイノベーションを実現
Mastercard(マスターカード)は2023年8月17日に、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の利点・課題・安全な実装方法などについての理解を深めるためのパートナープログラムを立ち上げたことを発表しました。
このプログラムは「CBDCの利点や制約、そして安全かつシームレスで有用な方法でCBDCを実装する方法についての理解を深めること」を目的としたもので、パートナー企業の専門知識や能力を結集してCBDCのイノベーションを実現すると説明されています。
パートナープログラムに参加する最初のパートナーの中には「Ripple」や「Consensys」のような仮想通貨関連企業も含まれており、具体的には以下のようなブロックチェーン関連企業や決済サービスプロバイダーと協力すると報告されています。
- Ripple(CBDCプラットフォーム)
- Consensys(ブロックチェーン・Web3ソフトウェア企業)
- Fluency(マルチCBDC・トークン化資産ソリューションプロバイダー)
- Idemia(デジタルID技術プロバイダー)
- Consult Hyperion(デジタルIDコンサルタント)
- Giesecke+Devrient(セキュリティ技術グループ)
- Fireblocks(デジタル資産運用プラットフォーム)
今回の発表では各社が異なる取り組みを行っていることも説明されており、「Fluencyは異なるCBDC間の相互運用性を構築、Consult HyperionはCBDCの要件定義、Rippleは政府発行ステーブルコインやCBDCパイロットに取り組んでいる」などの説明がなされています。
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中央銀行デジタル通貨(CBDC)の課題
マスターカードは国際決済銀行(BIS)のデータを引用する形で「93%の中央銀行が何らかの形でCBDC関連の作業を行っており、4つのリテールCBDCが既に実用化されている」と報告しています。
しかし、CBDCはまだ広く受け入れられていないのが現状で、BISは「2020年代末までに24のCBDCが流通する」と予想しているものの、中央銀行の3分の2以上は「日常的な支払いで使用できるデジタル通貨を近い将来に発行する予定はない」と述べているとされています。
これは複数の複雑な問題が残されているためで、1つの例として「中央銀行はプライバシーと透明性の間で適切なバランスを取る方法を決定する必要があり、違法な活動を防ぎながら個人のプライバシーを守る必要がある」と説明されています。
パートナープログラムに参加する企業は「CBDC・ブロックチェーン・Web3・トークン化・デジタルID・セキュリティ・デジタル資産運用」などといった様々な分野に関する専門知識を有しているため、これらの企業が協力することによって、CBDCの課題解決やイノベーションが促進されると期待されています。
CBDCの取り組みは日本でも