コードネームを利用した掲載も削除
暗号資産取引所BINANCEが、ユーザー同士で仮想通貨を直接売買できるP2P取引サービスで、制裁対象となっているロシアの銀行を決済リストから削除したことが明らかになりました。
BINANCEのP2P取引サービスは、ユーザー同士で仮想通貨の売買依頼を投稿できる掲示板のようなサービスで、売買通貨・支払い通貨・売買数量・支払い方法などを指定して、仮想通貨の売買を申し出ることが可能となっています。
このサービスに関しては、今月22日に「The Wall Street Journal」の報道で”バイナンスは制裁対象となっているロシアの複数の銀行を送金方法としてリストアップしている”との指摘がなされていました。
その後の報道では「BIANCEはそれらの銀行を支払い方法のリストから削除したが、イエローやグリーンというコードネームでロシアのティンコフ銀行やロスバンクを掲載している」とも指摘されていましたが、現在は「イエロー」や「グリーン」の支払い方法も削除されていることが確認されています。
複数の報道によると、BINANCEの広報担当者は「口座保有者が制裁回避のためにサービスを利用していることを知って銀行を削除した」と述べているとのことで、「我々は定期的にシステムを更新して地域や全世界の規制基準を満たすようにしている。問題が指摘された場合はできるだけ早く対処・修正するように努めている」と語ったと伝えられています。
完全には排除できていないとの報告も
ただし、Binance P2Pに関しては「依然として一部のユーザーがロシアの銀行を支払い方法としてリストアップしている」ということも報告されており、条件指定で”特定の銀行を使用した送金のみを受け付けること”を記載してそのような取引を可能にしていることが報じられています。
P2P取引サービスは、個人間で自由に取引できる仮想通貨の利点を活かした魅力的なサービスの1つですが、P2P取引は犯罪者の資金移動などにも利用される可能性があるため、長い間議論が続けられています。
10年以上の歴史を有していたP2Pのビットコイン交換所「LocalBitcoins」は2023年2月に”サービス終了“を発表していましたが、P2P取引はバイナンスを含むその他複数のサービスでも提供されています。
ウォレットでのP2P取引も
(WSJ発表)