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仮想通貨に関する内容も「2024年度の税制改正大綱」を閣議決定

第三者発行暗号資産も期末時価評価課税の対象外に

日本政府は2023年12月22日に、暗号資産の税制改正に関する内容を含んだ「2024年度の税制改正大綱」を閣議決定しました。

2024年度の税制改正大綱には、以前から話題となっていた「企業に対する仮想通貨の課税見直し」に関する内容が含まれており、具体的には『発行者以外の第三者が継続的に保有する暗号資産については、一定の要件の下、期末時価評価課税の対象外とする見直しを行う』と記載されています。

発行者以外の第三者が継続的に保有する暗号資産については、一定の要件の下、期末時価評価課税の対象外とする見直しを行う。これにより、Web3.0の推進に向けた環境整備が進み、ブロックチェーン技術を活用した起業等が促進されることが期待される。

今年6月には「企業が自社発行する暗号資産を保有している場合、特定の条件を満たせば期末時価評価課税から除外される」ということが報告されていましたが、今回の内容は「他社発行の暗号資産を保有している場合でも、特定の条件を満たせば期末時価評価課税から除外される」というものとなっています。

従来の税制は「法人が他社発行の暗号資産を保有している場合には、その暗号資産を売却していなくても、期末に市場価値と帳簿価額の差額に基づいて損益計上される」という仕組みであったため、法人にとって税負担が大きいものとなっていました。

しかし、今回報告されている税制改正が実施されれば、法人も個人投資家と同じように「暗号資産を売却・利用した際に生じる利益」に対して課税される仕組みになるため、法人の税負担が軽減され、Web3業界の発展にもつながる可能性があると期待されています。

個人投資家に関係する税制改正要望も

日本では以前から「暗号資産関連の税制改正」を求める要望が多数出ており、今回盛り込まれた内容も以前提出されていた「3つの税制改正要望」の中の1つとなっています。

残された要望は以下の2つで、これらの税制改正要望は個人投資家に関係する重要なものとなっているため、今後の更なる税制改正を求める声も非常に多くあがっています。

申告分離課税・損失の繰越控除の導入

「個人の暗号資産取引にかかる利益に対する課税方法を総合課税から申告分離課税に変更して、税率を一律20%とすること」や「暗号資産を損失繰越控除の対象とすること」などを求める内容。

損失繰越控除とは「損失が出た年の翌年以降3年間は、その損失を繰り越して翌年以降の暗号資産に関する所得金額から控除できるようにする」というもの。

暗号資産同士の交換時における課税の撤廃

「個人が”暗号資産同士の交換”を行なった場合に発生する所得税の課税を撤廃すること」を求める内容。

現在は暗号資産同士を交換する度に発生した利益に対して所得税が課税されるが、今後は暗号資産同士の交換が主流となる可能性が高く、取引回数や暗号資産の種類が多いため、納税計算が非常に煩雑になり、暗号資産の利便性が著しく阻害されている。

「日本円と暗号資産の交換」や「暗号資産決済による商品購入」などに対して課税する仕組みを残すようにすれば、損益計算や確定申告などの計算作業が今よりも簡単になり、納税計算における複雑さを下げることができると期待される。

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