バハマ政府は仮想通貨やブロックチェーンを国の政策に活用するために本格的な行動を開始しています。同国の中央銀行は政府発行の仮想通貨を試験的に導入する計画を明らかにしました。
デジタル決済サービスの必要性
バハマの中央銀行はバハマ政府の支援を受け、独自の仮想通貨を試験的に導入する計画を進めていることを明らかにしました。
バハマで開催された「バハマ・ブロックチェーン・仮想通貨カンファレンス」に、ゲストスピーカーとして参加したPeter Turnquest(ピーター・ターンクエスト)副首相兼財務大臣は、講演の中で独自の仮想通貨を発行する計画や、ブロックチェーン技術を行政に活用する計画などについて語りました。
カンファレンスでのスピーチの中で「国民の生活水準を向上させるためにデジタル決済サービスが不可欠である」と語ったターンクエスト氏は、その理由について次のように説明しています。
近代的なデジタル決済サービスを開発することは、現代の政治を前進させる手段となります。
バハマの仮想通貨は、特にファミリーアイランドにとって重要になります。
なぜなら、ファミリーアイランドでは多くの商業銀行が人員を削減したり撤退したりしているため、島民が銀行サービスが受けられない状態に陥っているからです。
さらに同氏は、バハマが島国であることから交通機関や輸送に関連する問題を抱えていることを挙げ、それらの問題を解決するために「金融サービスをデジタルで安全に提供しなければならない」と説明し、「バハマ島が”地域のデジタルパラダイス”になることを望んでいる」と語っています。
ブロックチェーンで個人情報管理
またターンクエスト氏は、近いうちにバハマ政府が国立研修庁の修了生に対して、ブロックチェーン上で修了証を発行する試験的なプログラムを開始する予定であることも明かしています。
この計画では、修了書の発行にブロックチェーン技術を活用することよって、修了生が修了証の情報を管理できるようになることが期待されています。
バハマ政府はこのほかにも、ライセンスやパスポート、国民保険などにもブロックチェーン技術を活用することで、安全かつ認証可能な方法で個人の認証情報を管理・共有できるようにすることも計画しています。
同氏は、個人情報の処理にブロックチェーンを活用することによってもたらされるメリットについて次のように説明しています。
テクノロジーと単一の窓口を利用することで、汚職を蔓延させる人的要因の多くを取り除くことができます。さらに、全ての行政のプロセスを処理できる単一のポータルがあれば、私たちバハマ人が言うところの、「サービスを受けるにはチップを渡すべし」といった状況をなくすこともできます。
PO8は海洋考古学産業を民主化
バハマに拠点を置くブロックチェーングループ「PO8」は、イーサリアム(ETH)ベースのネットワークを使用して、群島の海域での水中探検を”トークン化”するためにブロックチェーン技術を活用しています。
PO8は、バハマ海域において長年に渡って失われてきた”歴史的遺物”を回収するのを支援する『海洋考古学』にブロックチェーンを活用しています。
このプロジェクトはバハマ水域における水中探検を規制している法案を改正することによって、グループの取り組みを迅速化しており、バハマ政府からも祝福を受けているとされています。
現在バハマでは、ブロックチェーンの技術を幅広い分野に積極的に取り入れています。
PO8の共同設立者でCEOを務めているMatthew Arnett氏は、「グランド・バハマをアメリカ大陸の首都にすることを目指しているバハマは、ブロックチェーン技術を歓迎し、革新の時を理解している」と語っています。
ロマン溢れる仮想通貨プロジェクトPO8
国をあげて仮想通貨やブロックチェーンの実用化に取り組むバハマは、『ブロックチェーン・アイランド』への道を確実に進んでいます。仮想通貨関連の企業にも友好的であるバハマ政府や、それらの企業の取り組みには今後もさらに期待が高まります。