Semler Scientific:ビットコイン財務戦略を発表
NASDAQ(ナスダック)に上場している米国の医療機器メーカーSemler Scientific(セムラーサイエンティフィック)は2024年5月28日に、ビットコイン(BTC)を財務資産として採用し、総額4,000万ドル(約62億9,000万円)を用いて581 BTCを購入したことを発表しました。
581 BTCは記事執筆時点の価格換算で約62億7,400万円に相当する数量で、今回の購入に使用された4,000万ドルの中には手数料や経費が含まれると説明されています。
なお、今回の発表ではビットコインの平均購入価格や購入時期などは明らかにされていません。
また、公式発表では「ビットコインはSemler Scientific社の主要な財務資産として継続的に機能し、市場の状況や予想される現金需要に応じて調整される」とも説明されています。
BTCを「金よりも優れた価値の保存手段」と評価
Semler Scientific社は今回のビットコイン投資戦略について、取締役会と上級管理職メンバーが様々な代替案を検討した上で「余剰資金の最適な利用方法はビットコインを保有することだ」という結論に至ったということを説明しています。
具体的には「ビットコインが価値の保存手段として優れていること」や「金よりも大きなリターンが期待できること」などが説明されており、同社の会長であるエリック・セムラー氏は次のように語っています。
ビットコイン財務戦略とビットコインの購入は「ビットコインは価値の保存手段であり、魅力的な投資先である」という当社の信念を裏付けるものです。
ビットコインは時価総額が1兆ドルを超える主要な資産クラスとなりました。私たちは「希少かつ有限な資産としての特徴を持つビットコインは、世界的に不安定な状況が続く中で合理的なインフレヘッジ手段・安全な避難先として役立つ」と考えています。
金はビットコインの約10倍に相当する時価総額を有していますが、ビットコインはデジタルな特性と構造的な強靭性を備えているため、ビットコインの方が望ましいと考えています。
ビットコインと金の価格差を踏まえて考えると、ビットコインが”デジタルゴールド”として受け入れられるようになるにつれて、ビットコインでは桁外れなリターンが生み出される可能性があると考えられます。
さらに、ビットコインの世界的な採用と”制度化”が進んでいることにもエネルギーを感じています。これには2024年1月に米国証券取引委員会(SEC)が11のビットコインETFを承認したことも含まれます。
これらのファンドは、世界の銀行・年金基金・財団・登録投資顧問を含む約1,000の機関から130億ドル以上の純流入を報告しています。現在はビットコイン全体の10%以上が機関によって保有されていると推定されています。
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ビットコイン投資戦略の採用が進む
ビットコインを財務資産の一部に組み込む動きは世界的に拡大しており、最近では東京証券取引所スタンダード市場に上場している「メタプラネット」もビットコインへの投資を開始したことが報告されています。
また、ビットコインは「マイクロストラテジー」や「テスラ」などの企業にも保有されており、BTCを法定通貨として採用している「エルサルバドル」でも毎日1BTC購入する取り組みが続けられています。
先日は、アルゼンチンの証券取引委員会(CNV)がエルサルバドルのデジタル資産委員会(CNAD)と仮想通貨に関する会合を開いたことも報告されているため、今後はビットコインを採用する国や企業がさらに増えていく可能性があると期待されます。
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