「チームが成し遂げた仕事を誇りに思う」とコメント
米国証券取引委員会(SEC)の仮想通貨・サイバー部門で責任者を務めていたデイビッド・ハーシュ氏は2024年6月17日に、約9年間にわたって勤務した米SECを退職したことを報告しました。
デイビッド・ハーシュ氏は先週金曜日に米SECで最後の勤務を終えたとのことで、今後は家族との休暇を過ごした後に新しい挑戦を始めると報告されています。
同氏は「米SECの在籍期間中は、SECフォートワース地域事務所の担当弁護士として入局したときには想像もできなかったような複雑で困難な調査や問題に取り組む機会に恵まれた」とも述べており、自身が率いるチームが成し遂げた歴史的な仕事に誇りを感じていると語っています。
先週の金曜日は、私が約9年間在籍したSECで勤務した最後の日でした。在籍期間中は、フォートワース支局のスタッフ弁護士として入局したときには想像もできなかったような、複雑で困難な調査や問題に取り組む機会に恵まれました。特に、私が率いることになった暗号資産・サイバー部門のチームが成し遂げた歴史的な仕事を誇りに思います。
ここで名前を挙げきれないほど多くの指導者、リーダー、同僚、友人たちに深く感謝しています。その中には、州、連邦、国際的な規制当局や法執行機関の素晴らしいパートナーも含まれています。
私が話しているように証券取締りはチームスポーツであり、私の在任期間中それは確かに真実でした。私が関与したすべての成功は、共通の目標に向けた協力と努力の賜物です。皆さんのおかげです!
私に多くのものを与えてくれた機関を離れるのは辛いことですが、私は次の挑戦にとてもワクワクしています。でも今は、秋に息子が大学へ行く前の休暇と家族との旅行にワクワクしています。
デイビッド・ハーシュ氏が率いていた暗号資産・サイバー部門は、仮想通貨取引所・レンディング・ステーキング・ステーブルコイン・DeFi・NFTなどといった暗号資産関連の証券法違反に対処する部門となります。
米SECは過去数年間で仮想通貨関連企業に対する様々な執行措置を行なっており、一部では明確なガイドラインなしで仮想通貨を有価証券だと指摘するSECに批判の声も上がっていたため、今回の退任報告には注目が集まっています。
なお、今回の退任は米SECの執行部門における定例的な人事異動パターンに沿ったもので、RippleやCoinbaseに対する訴訟に携わったラダン・スチュワート弁護士も最近8年間の勤務を終えて退職しています。
米SECは以前まで仮想通貨に対して敵対的であると見られていましたが、今年1月にはビットコイン現物ETFが承認されていて、最近では米SECのゲイリー・ゲンスラー委員長から「イーサリアム現物ETFは今年の夏の間には承認されるだろう」とも語られているため、今後のSECの姿勢の変化などにも注目が集まっています。
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