2024年末までには最高値を記録すると予想
米国の暗号資産運用会社Bitwise(ビットワイズ)の最高投資責任者であるマット・ホーガン氏は、2024年7月16日に公開された記事の中で「イーサリアム(ETH)の価格はイーサリアム現物ETFのローンチ後に5,000ドル(約78万円)を超える」との予想を示しました(*1)。
同氏は「イーサリアム現物ETFのローンチ後にはグレースケールが提供しているGrayscale Ethereum Trust(ETHE)からの資金流出が起きる可能性があるため、最初の数週間は市場が不安定になる可能性がある」と述べていますが、「2024年末までには新たな高値を記録すると確信している」とも語っています。
今回の記事では、イーサリアム現物ETFのローンチ後にETH価格が上昇する理由も説明されており、具体的には以下のような複数の理由が挙げられています。
(*1)原文ではイーサリアム現物ETFではなく、イーサリアムETP(上場取引型金融商品)という用語が使用されています。
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イーサリアム現物ETFで価格上昇する理由
イーサリアム現物ETFはイーサリアムに新しい需要源をもたらすため、需要と供給のバランスが変化して価格上昇につながる可能性がある。
2024年1月にビットコイン現物ETFがローンチされた後には、ビットコインマイナーが生産するBTC数量の2倍以上に当たるBTCがビットコインETFで購入されている。(マイナーの生産量が129,181 BTCであるのに対して、ETFの購入量は263,965 BTC)
マイニングされたBTCは売り圧力になる可能性があるが、ETFで購入されたビットコインがその2倍以上だったため、ビットコイン価格はETFローンチ後に上昇している。
イーサリアム現物ETFのローンチでも同様の影響が見られ、数十億ドル規模の資金流入がもたらされる可能性があるが、以下3つの理由から実際にはビットコインETFの時よりもさらに大きな影響が出る可能性がある。
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ETHの方が短期のインフレ率が低い
ビットコイン現物ETFがローンチされた時のBTCのインフレ率は1.7%で、年間328,500 BTC(約160億ドル相当)が新規発行されていた。これは「売り圧力に耐えるために年間160億ドル相当のBTC購入が必要」ということを表す。
これに対し、過去1年間のETHのインフレ率はちょうど0%。1年前には1億2,000万ETHが存在していたが、現在も1億2,000万ETHが存在している。毎日少量のETHが生成されるが、イーサリアム基盤のアプリケーションを使用する人々もETHを消費するため、過去1年間でこの2つの力は均衡している。
イーサリアムの活動が活発化すれば、消費されるETHの数量も増加することになり、投資家にとって有利に働く可能性がある。
BTCとは違い、ETHステーカーは売却する必要がない
ビットコインのマイニングを行うマイナーはマイニング機器や電気代などを支払うために採掘したBTCを売却する必要があるが、イーサリアムのステーキングを行う人々は獲得したETHを売却する必要がない。
イーサリアムが採用しているプルーフ・オブ・ステーク(PoS)はETHを保有・ステークして新しいETH報酬を獲得する仕組みで、このステーキング作業に大きなコストはかからない。
このような仕組み上、イーサリアムのステーカーはステーキングで獲得したETHを売却する必要がないため、イーサリアムのインフレ率が0%を超えてもステーカーから大規模な売却が行われることはないと予想される。
ETHの28%はステーキングされている
ステーキングには「ステーキング中はETHが一定期間ロックされ、その期間中はETHを売却できない」という特徴もある。
現在は全てのETHの28%がステーキングされているだけでなく、全ETHの13%が分散型金融(DeFi)のスマートコントラクトにロックされているため、合計約40%のETHは簡単には売却されないということになる。
これら複数の理由から、新しいイーサリアムETP(上場取引型金融商品)がローンチされると、最初の18ヶ月間で150億ドル(約2兆3,400億円)の資産が集まると予想される。
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(公式発表)