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インドの大手仮想通貨取引所「WazirX」でハッキング被害|SHIB・ETHなど200銘柄以上が流出

WazirXのマルチシグウォレットにサイバー攻撃

インドの大手暗号資産取引所であるWazirX(ワジールX)は2024年7月18日に、WazirXの仮想通貨を管理するマルチシグウォレットがサイバー攻撃を受けて2億3,000万ドル(約362億円)相当の仮想通貨がハッカーに盗まれたことを発表しました。

マルチシグウォレットとは、取引を行う際に複数人からの署名が必要となる仮想通貨ウォレットのことであり、1人の署名で仮想通貨を送金できる一般的なウォレットよりも安全性が高いウォレットとなっています。

WazirXのマルチシグウォレットは、2023年2月からLiminalのサービスを利用して運営されていたもので、「WazirXチーム内の5人」と「Liminal内の1人」からなる合計6人の署名者で管理されています。

このウォレットで取引を行うためには、最低3人のWazirX署名者から承認を得た上で、Liminalの署名者から最終承認を得る必要があったとのことですが、サイバー攻撃時にはLiminalのインターフェイスに表示されているデータと実際のトランザクションの内容が一致していなかったと報告されています。

これはサイバー攻撃によってウォレットの制御を攻撃者に乗っ取られたことが原因であると考えられており、現在は盗まれた仮想通貨を取り返すための取り組みを進めている段階だと説明されています。

SHIB・ETH・MATICなど200銘柄以上の盗難報告

WazirXで発生した仮想通貨盗難事件については、すでに複数の専門家の間で独自調査が実施されており、盗まれた仮想通貨の詳細なども報告されています。

ブロックチェーン分析企業であるEllipticの報告によると、今回の事件では200種類以上の仮想通貨が盗まれているとのことで、盗難被害にあった主要な仮想通貨と被害額については以下のように報告されています。

盗まれた仮想通貨 被害額
シバイヌ(SHIB) 約9,670万ドル相当
イーサリアム(ETH) 約5,260万ドル相当
ポリゴン(MATIC) 約1,100ドル相当
ぺぺ(PEPE) 約760万ドル相当
テザー(USDT) 約570万ドル相当
フロキ(FLOKI) 約470万ドル相当
その他 約5,670万ドル相当

(画像:Elliptic

なお、WazirXから盗まれた仮想通貨の多くは、様々な分散型金融(DeFi)サービスを通じて既にETHに交換されているとのことです。

最も被害額が大きかったSHIBの価格は過去24時間で8%以上下落していますが、この下落は今回の盗難事件の影響によるものだと考えられています。

今回の事件は現時点で調査中の段階であるため犯人の詳細などは不明ですが、Ellipticの発表では北朝鮮のハッカーが関与している可能性が指摘されています。

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WazirX発表