ビットコイン(BTC)市場に大きな動きが見られています。オンチェーンデータの分析で、ビットコインの「永久保有者アドレス」(クジラと呼ばれる大口投資家)が過去1カ月で約228億ドル(約3兆3,000億円)相当の資産を蓄積していることが明らかになりました。
CryptoQuantの創設者兼CEOであるキ・ヨンジュ氏は8月7日のSNS投稿で、この異常な動きについて言及しました。
舞台裏で何かが起こっているのは間違いないと思う。過去30日間で 404,448ビットコインが永久保有者アドレスに移動しています。明らかに蓄積されています。1年以内に分かるでしょう。
キ氏によると、約404,448BTC(約228億ドル相当)が「永久保有者」と呼ばれるアドレスに移動したとのことです。「これは明らかな蓄積行動だ」とキ氏は指摘しています。
この大規模な買い付けは、最近の相場変動と時期を同じくしています。8月5日にビットコイン価格が5万ドルを割り込む急落を見せた後、翌日には57,000ドル台まで14%もの反発を記録しました。
キ氏は、複数の観点から現在の市場を強気に見ています。マイニング業界の状況や、個人投資家の動向、長期保有者の売却圧力の減少などを根拠に挙げています。
特に、マイニングのハッシュレートが過去最高水準に近づいていることや、米国でのマイニングコストが1BTCあたり約43,000ドルであることから、相場がこの水準を下回らない限り、ハッシュレートは安定すると予想しています。
さらにキ氏は、来年の第3四半期までに、従来の金融機関や企業、政府がビットコイン取得を公表する可能性があると予測しています。
一方で、市場センチメントを示す指標である「恐怖・強欲指数」は、「極度の恐怖」から「恐怖」レベルへと若干改善しているものの、依然として低水準にとどまっています。
キ氏は楽観的な見方を示しつつも、慎重な姿勢も忘れていません。「2週間以内に市場が回復しない場合は、分析を見直す必要がある」と述べ、新興の大口投資家の動向やマクロ経済環境の影響を過小評価している可能性も認めています。
ビットコイン市場は今なお不確実性が高いものの、大口投資家による積極的な買い付けは、将来への期待感の表れとも解釈できます。今後は機関投資家や企業、各国政府の動きが市場にどう影響するか、引き続き注視が必要そうです。
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