米国の個人投資家の間で、仮想通貨投資への関心が再燃しているようです。バーンズ・アンド・ソーンバーグ法律事務所が実施した最新の調査によると、2024年に仮想通貨投資が急増すると予測する投資家が多数を占めています。
調査に参加した138人の金融専門家のうち84%が「今後12か月で仮想通貨への個人投資が増加する」と予測しています。さらに、59%の回答者が「昨年よりも仮想通貨ファンドへの投資意欲が高まった」と回答しました。
この好転の背景には、いくつかの要因があるようです。ステーブルコインやデリバティブ商品など、新しい仮想通貨投資商品が機関投資家に採用されたこと、2024年1月に仮想通貨連動ETFが登場したこと、そして市場回復に伴う規制環境の明確化などが挙げられています。
バーンズ・アンド・ソーンバーグのスコット・ベールズ氏は「FTXの崩壊から1年半が経ち、ビットコインや他の仮想通貨で大幅な回復が見られます。SECによるビットコインETFの承認は業界にとって大きな出来事です」とコメントしています。
しかし、全ての投資家が楽観的というわけではありません。26%の投資家は仮想通貨ファンドへの投資意欲が低下したと回答しています。その主な理由としては、市場のボラティリティ(46%)、詐欺リスク(43%)、仮想通貨プラットフォームの崩壊(43%)などが挙げられています。
調査ではまた、投資家の関心事も明らかになりました。リミテッドパートナーの54%が「リターン」を最大の関心事として挙げており、「資金調達条件」への注目も昨年の23%から50%に急増しています。ジェネラルパートナーの間では、「資金調達」が最も緊急の課題とされ、昨年の23%から40%に増加しました。
この結果は、仮想通貨市場の回復基調を反映していますが、同時に投資家が直面する課題も浮き彫りにしています。市場の変動性や規制環境の変化は、依然として重要な考慮事項となっています。
今後の仮想通貨投資の拡大は、規制当局の動向や市場の安定性に大きく左右されそうです。投資家たちは、高いリターンの可能性と市場リスクのバランスを慎重に見極めながら、投資判断を行っていくことになるでしょう。
この調査結果は、仮想通貨市場が新たな成長フェーズに入る可能性を示唆していますが、同時に慎重さも求められています。規制環境の整備や市場の成熟化が進む中、個人投資家の動向が今後の市場の方向性を占う重要な指標となりそうです。
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