ビットコイン代替資産「cbBTC」近日公開
米国の大手仮想通貨取引所Coinbase(コインベース)が支援するイーサリアムのレイヤー2(L2)ネットワーク「Base(ベース)」が、ローンチからわずか1年で急速な成長を遂げています。
Baseは2023年8月の立ち上げ以来、「次の10億人のユーザーと100万人の開発者」の獲得を目指し、着実に規模を拡大。分散型SNS「Friend.Tech」やミームコインなどの人気アプリケーションに牽引され、多くのユーザーを集めることに成功しました。
「Growthepie」のデータによると、2024年8月14日時点でBaseのデイリーアクティブアドレス数は81万件に達し、競合のアービトラム(36万件)やリネア(22万件)を大きく上回っています。また、Baseネットワークへの預入資産総額(TVL)は15億ドル(約2,200億円)を記録し、イーサリアムL2ネットワークの中でアービトラム(27億ドル)に次ぐ第2位の座を獲得しています。
この急成長を背景に、コインベースは新たなビットコイン代替資産「cbBTC」の導入を予告しました。8月14日、コインベースの公式Xアカウントは「cbBTC」「coming soon」という短い投稿を行い、cbBTCの近日公開を示唆しています。
ラップドビットコイン(WBTC)のような新商品が登場?
コインベースのプロトコル責任者であるジェシー・ポラック氏は、自身のXで「我々は、ベース上に大規模なビットコイン経済を構築していくつもりだ」と述べ、ビットコインへの強い支持を表明しています。
声に出して言うと、私はビットコインが大好きで、暗号通貨の普及に貢献してくれたことにとても感謝しています。
そして私たちはBase上に大規模なビットコイン経済を構築していくつもりです。
「cbBTC」は、既存のビットコイン代替資産「WBTC(Wrapped Bitcoin)」のような通貨として登場すると見られています。
WBTCは現在、約154,615 WBTC(時価総額約94億ドル)が流通しており、DeFi市場で広く利用されています。しかし、最近WBTCの主要カストディアンであるBitGoが米国外への管理移転を計画したことで、一部で懸念が生じています。
ステーブルコイン発行プロジェクトMakerDAOのリスク管理ユニットBA Labsは、WBTCの管理体制変更に伴うリスクを指摘し、担保資産からの排除を提案しました。こうした状況下で、コインベースが提供する「cbBTC」は、新たな選択肢として市場に歓迎される可能性があります。
「cbBTC」の導入により、BaseのDeFi市場がさらに拡大することが期待されています。ただし、現時点での公式情報は限られており、詳細は明らかになっていません。また、コインベース公式を装った詐欺アカウントによるフィッシング被害の報告もあることから、ユーザーには十分な注意が必要です。
今後「cbBTC」の具体的な仕様や運用方法が明らかになるにつれ、Base上でのビットコイン経済の発展や、既存のWBTCとの競合関係など、仮想通貨市場に与える影響が注目されます。