WBTC事業で「BitGo・BiT Global」が提携|懸念の声とジャスティン・サン氏からの説明

by BITTIMES

複数の管轄区域・機関による保管方式に移行

大手暗号資産カストディ企業であるBitGo(ビットゴー)は2024年8月10日に、香港拠点のカストディプラットフォームである「BiT Global」との提携・合弁事業を通じて、WBTCの事業を複数の管轄区域・機関にまたがるカストディ方式に移行することを発表しました。

ラップドビットコイン(Wrapped Bitcoin/WBTC)は、BitGo社、Kyber Network社、Ren社によって2019年1月に設立されたプロジェクトであり、WBTCは「1WBTC=1BTC」の価値で推移するように設計されたイーサリアム上のERC-20トークンです。

仮想通貨の保管サービスで高い評価を得ているBitGoは、WBTCの担保となるビットコインの保管・管理する役割などを担っていましたが、今後はWBTCの事業を「複数の管轄区域と複数の機関にまたがるカストディ方式」に移行すると報告されています。

このアップグレードは今回の発表から60日後に実施される予定で、アップグレード時もサービス中断などが生じることはなく、アップグレード後も従来と同じ品質のサービスを利用できると説明されています。

BitGoは、BiT Globalとのユニークなパートナーシップと合弁事業を通じて、WBTC事業を世界初となる複数の管轄区域と複数の機関にまたがるカストディ方式にすることを発表します。

このアップグレードは、サービスの中断や中断を伴うことなく、本日から60日後に実施されます。WBTCの顧客は、2019年以来WBTCがコミュニティに提供してきたのと同じ品質のサービスの恩恵を引き続き受けることができます。

WBTCの担保となるビットコイン(BTC)は以前まで米国で管理されていましたが、今回の移行によってビットコイン保管の管轄区域が香港シンガポールなどを含むよう多様化されることになります。

これによって、ビットコインを管理するための鍵が複数の地域で分散管理されるようになるため、WBTCの保管・管理業務におけるセキュリティが向上すると期待されています。

ジャスティン・サン氏の関与に関する懸念と説明

今回の移行はWBTCの担保となるビットコインを管理する鍵の管理場所を分散してセキュリティを向上させるものですが、この合弁事業にはトロン(Tron/TRX)のエコシステムや、TRONのCEOであるジャスティン・サン氏とのパートナーシップが関与しているため、一部のユーザーからは懸念の声も上がっています。

これは、ジャスティン・サン氏が関与している仮想通貨プロジェクトが透明性などの問題に直面していることなどを理由としたもので、「ジャスティン・サン氏の関与や同氏が支配権を持つことによってリスクレベルが上昇する」と指摘する意見が出ています。

しかし、BitGoのCEOであるマイク・ベルシェ氏はそのような批判について「これは事実に対するものではなく、ジャスティン・サン氏の名前に対する反応だ」と説明しており、何も心配することはないと語っています。

また、ジャスティン・サン氏本人も2024年8月11日の投稿で今回の件についてコメントし、「私はWBTCのリザーブ(準備金)にアクセスするための秘密鍵を管理していないため、準備金として保管されているBTCを移動させることはできない」と説明を行なっています。

最近、私がWBTCを含む様々なプロジェクトに関与していることについて、コミュニティ内で懸念の声が上がっていると耳にしました。以下の点を明確にしたいと思います。

まず、WBTCは以前と何も変わりません。監査はリアルタイムで行われており、「https://wbtc.network」からアクセスできます。発行プロセスは以前と同じ手順で、BitglobalとBitgoというカストディアンが完全に管理しています。

簡単に言えば、BitglobalとBitgoは監査されていない取引には署名しません。鍵はこれまで通り、Bitgoのコールドウォレット技術とオフライン鍵を使用して保護されており、バックアップは複数の国や地域に保存されています。

WBTCへの私個人の関与は完全に戦略的なものです。私はWBTCのリザーブにアクセスするための秘密鍵を管理していないため、準備金として保管されているBTCを移動させることはできません。

私が様々なプロジェクトにどのように関与しているかを詳しく説明することで、皆さんに私のことをより理解してもらいたいと思います。

プロジェクトごとに関与レベルは異なりますが、私の目標は「分散化、セキュリティプロトコル、安全性に特化したプロジェクトを推進すること」にあります。WBTCはDeFiエコシステムにおける重要な一部であり、私はこれからもそれが継続していくことを楽しみにしています。

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