2024年8月24日、仮想通貨マイニング業界に衝撃的なニュースが飛び込んできました。ビットコイン(BTC)のマイニングプール2社が、ネットワークの半分以上のハッシュレートを支配する事態になっています。この状況は、仮想通貨の分散化という理念に疑問を投げかけるものとなっています。
具体的には、Foundry USAとAntpoolという2つのマイニングプールが、過去72時間で発見されたブロックの56.7%を独占したことが明らかになりました。この数字は、ビットコインネットワークの安全性と分散化に関する議論を巻き起こしています。
特筆すべきは、Foundry USAの急成長です。年初から約75エクサハッシュ/秒(EH/s)という驚異的な増加を見せ、現在では約215.79 EH/sものハッシュレートを誇っています。これは年初比で86%もの増加となり、業界関係者の間で大きな話題となっています。
一方、2番目の強豪Antpoolも遅れを取っていません。過去3日間で153.55 EH/sを生成し、7日間の平均では162.55 EH/sにまで達しています。この2社の躍進は、ビットコインマイニング業界の勢力図を大きく塗り替えつつあります。
興味深いのは、この2社の成功が最近の手数料高騰と密接に関連している点です。通常よりもはるかに高額な手数料を含むブロックを獲得することで、両社は大きな恩恵を受けたとされています。
現在のビットコインネットワーク全体のハッシュレートは約651 EH/sで推移しています。この中でFoundryが約3分の1を占めるという事実は、同社の影響力の大きさを如実に物語っています。
しかし、このような状況には懸念の声も上がっています。2社でハッシュレートの半分以上を占めることは、ビットコインの根幹にある分散化の理念に反するのではないか、という指摘です。51%攻撃のリスクや、マイニングの中央集権化に対する警鐘も鳴らされています。
一方で、この状況を肯定的に捉える声もあります。大手プールの台頭は、ビットコインネットワークの安定性と信頼性を高める可能性があるという見方です。また、競争が激化することで、マイニング技術の革新が加速する可能性も指摘されています。
いずれにせよ、この動向はビットコインエコシステムに大きな影響を与えそうです。今後、他のマイニングプールがどのように対応するのか、規制当局はこの状況をどう見るのか、注目が集まっています。
ビットコインマイニング業界は常に変化し続けています。今回の2大プールの台頭が、業界にどのような変革をもたらすのか、引き続き注視していく必要がありそうです。
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執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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