裁判所がDOGE価格操作の訴訟を棄却
ニューヨークの連邦裁判所で興味深い判決が下りました。2024年8月29日、イーロン・マスク氏とテスラに対するドージコイン(DOGE)価格操作の訴訟が棄却されました。
この結果、テクノロジー界の大物と彼の電気自動車会社は大きな勝利を収めることになりました。
訴訟の経緯と投資家の主張
事の発端は2022年6月にさかのぼります。ドージコインの投資家グループが、マスク氏とテスラを相手取って驚くべき額の訴訟を起こしました。
彼らは次のような主張を展開しました。
- マスク氏がドージコインの価格を2年で36,000%以上も引き上げた
- その後、意図的に価格を暴落させた
- 世界一の富豪の立場を利用してドージコインのピラミッドスキームを作り上げた
- 価格操作を行った
これらの主張に基づき、投資家グループは2,580億ドルという途方もない額の損害賠償を求めました。
裁判所の判断とマスク氏側の反応
アルビン・ヘラースタイン判事は、マスク氏のツイートについて興味深い見解を示しました。判事は、マスク氏の発言には「重大な虚偽」があったと指摘しつつも、同時に次のように述べています。
これらの発言は希望的観測や誇張であり、事実ではなく、虚偽である可能性が高い。合理的な投資家がこれらを信頼することはない。
つまり、マスク氏のツイートを受けて投資判断を下すのは賢明ではないという見方です。
マスク氏側の弁護士は、この訴訟を「空想的なフィクションの作品」と一蹴し、早々に棄却を求めていました。結果として、この主張が認められた形となりました。
DOGE価格への影響と今後の展望
意外なことに、この判決はドージコインの価格にほとんど影響を与えませんでした。判決後も、ドージコインは0.10ドル前後で取引され、わずか0.1%の上昇にとどまりました。ただし、過去1か月では20%ほど下落しているようです。
この判決は、仮想通貨市場における有名人の発言の影響力と、投資家の自己責任について重要な問題を提起しています。SNSでの発言をどこまで真剣に受け止めるべきか、投資家は改めて考える必要がありそうです。
一方で、マスク氏やその他の著名人は、今後SNS上での発言により慎重になる可能性もあります。仮想通貨に関する軽はずみな発言が法的問題に発展する可能性が示されたからです。
仮想通貨市場は変動が激しく、予測が難しいのが特徴です。ドージコインを含む仮想通貨への投資を考えている方は、こうした法的判断や市場の動きをよく見極めつつ、自己責任で判断することが大切です。
今回の判決は、投資の世界における情報の扱い方について、私たちに貴重な教訓を与えてくれたのかもしれません。
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Souce:裁判所資料
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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