段階的なアップグレードでリスク軽減
イーサリアム(ETH)のコア開発者たちは2024年9月19日に開催されたオンライン会議の中で、イーサリアムの次期大型アッグレードとなるPectra(ペクトラ)を2段階に分けて実施することを決定しました。
Pectra(ペクトラ)は、イーサリアムの拡張性・利便性・効率などを大幅に向上される歴代最大規模の大型アップグレードであり、実行レイヤーとコンセンサスレイヤーのアップグレードを含む多数の変更・機能追加が実施される予定となっています。
このアップグレードについては「アップグレードを2段階に分けて実施するかどうか」についての議論が交わされていましたが、今回の開発者会議では、2段階に分けてアップグレードを実施することが決定されました。
2分割での実施は、20以上にわたる広範囲なアップグレードのリスクを軽減するためのもので、複雑なアップグレードを段階的に行うことによって、よりスムーズに実装を進めてバグなどのリスクを抑えることができると期待されています。
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Pectraアップグレードの概要と実装予定
Pectra(ペクトラ)の第1フェーズは機能改善に焦点を充てた合計8つのイーサリアム改善提案(EIP)を含むもので、第2フェーズは追加機能を実装する12のアップグレードが実施されると報告されています。
第1フェーズはノードのデータストレージを削減してバリデータへの負荷を軽減することを目的としたもので、スマートコントラクトウォレットのユーザー体験を向上させてセキュリティを強化する「EIP-7702」もこのフェーズで導入されます。
第2フェーズには、レイヤー2のスケーラビリティを強化する「PeerDAS」と、スマートコントラクトの実行を高速化するためのイーサリアム仮想マシン(EVM)のアップデートが含まれると報告されています。
第2段階目のアップグレード内容は今後変更される可能性があるとのことですが、第1段階目のアップグレードは2025年初頭に実施される予定だと伝えられています。
今回行われた開発者会議の内容は、以下のYouTube動画で確認することが可能です。
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執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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