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イーサリアム最大のリスクとは?ヴィタリック・ブテリン氏が指摘

ステーキングの集中化が招く危機

イーサリアム(Ethereum)創設者のヴィタリック・ブテリン氏は2024年10月20日に自身のブログで、イーサリアムの最大のリスクとしてステーキングの集中化を指摘しました。

ヴィタリック・ブテリン氏は、ここ一週間でアップグレード関連のブログ記事を更新しています。2024年10月17日に更新したブログでは、今後のアップグレードでL1とL2で10万TPSを目指すという方針を明らかにしました。

今回、更新された記事では、イーサリアムが抱える最大のリスクの1つとして、ステーキングの集中化を挙げ、今後のアップグレードの一環として軽減するための提案をいくつか行いました。

単一プールへのステーキングの集中化が招く危機として51%攻撃や検閲などを挙げ、直近1年間で関連するリスクの理解がコミュニティにおいて深まりつつあると指摘しています。

リスクと提案

ヴィタリック・ブテリン氏はブログで、ステーキングの集中化によって問題が発生するトピックは、主に「ステーキング資本提供の集中化」・「ブロック構築の集中化」の2つにあると指摘しました。

ステーキング資本提供の集中化に対しては、ステーキングのエコシステムを変更することを提案しました。現在、イーサ(ETH)供給量の30%がステーキングされており、51%攻撃から保護するには十分すぎるほどの量がステーキングされています。

一方で、供給量のほぼ全てのイーサがステーキングされた場合、スラッシングメカニズムの信頼性が揺らぐ可能性や、単一のLSTへの依存度が高くなることでイーサリアムのネットワーク効果を引き継がれる、報酬を独占されてしまう可能性などを指摘しました。

これに対して、スラッシングが可能なステーキングとスラッシングが不可能なステーキングの2層を実装することや、ステーキングに上限を設けることなどを提案しています。一方、どちらにもトレードオフが存在し、保有量が多いと報酬が極端に低くなるとも指摘しました。

ブロック構築の集中化はトランザクションの処理を遅らせたり、UXに悪影響を与える可能性があり、ブロック生成における権限・責任をより細分化するなどの対策を提案しました。

また、イーサリアムは「単なるL1ではなくエコシステムである」とも述べ、アプリケーションレイヤーでも上記に関連するリスクを軽減できるソリューションは存在すると指摘しています。


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Souce:ヴィタリックブテリン氏ブログ

執筆・翻訳:BITTIMES 編集部

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