「SECの信頼を取り戻す唯一の方法」と説明
米国証券協会(ASA)は2024年11月7日に、米国証券取引委員会(SEC)の現委員長であるゲイリー・ゲンスラー氏に対して即時辞任を要求したことを発表しました。
米国証券協会(ASA)は、地域の金融サービス企業や証券業界に関わる企業を代表する業界団体であり、米国の様々な地域にまたがる約100の会員企業が所属しています。
今回の要求は、2024年の米大統領選挙で共和党のドナルド・トランプ氏が勝利したことを受けてのものであり、ASAの会長であるChris Iacovella氏は「ゲンスラー委員長の辞任は、米SECに対する信頼と信用を取り戻すための唯一の方法である」とコメントしています。
昨晩、国民はこの国が新たな方向へと進むことを選択しました。ゲンスラー委員長はこの結果を尊重して即刻辞任すべきです。これがアメリカの勤労者世帯・退職後の貯蓄者・中小企業の米SECに対する信頼と信用を取り戻す唯一の方法です。
ゲンスラー委員長の退任が早まる可能性は?
ゲイリー・ゲンスラー氏は、仮想通貨関連の規制明確化が求められている中で多くの仮想通貨を「有価証券に該当する」と指摘して、様々な仮想通貨企業を証券法違反で提訴しているため、仮想通貨業界に多くの敵を作っている状態にあります。
ドナルド・トランプ氏は「大統領就任初日にSECのゲイリー・ゲンスラー委員長を解任する」という公約を掲げていたため、2025年1月20日の就任直後にはゲンスラー委員長が解雇されると予想されていますが、現在は「トランプ氏就任前の辞任」を求める意見も多数見られています。
トランプ氏がゲンスラー氏を辞任させることはできないものの、今後も辞任を求める意見がさらに強まった場合には、トランプ氏就任前にゲンスラー氏が自ら辞任を決める可能性もあると予想されます。
なお、トランプ氏は2025年1月20日の大統領就任直後に新しい暫定委員長を指名することが可能で、ゲンスラー氏が先に辞任を決めた場合には現在のバイデン大統領が暫定委員長を任命することになります。
米SECの次期委員長候補については様々な予想が出ており、最近ではRobinhood(ロビンフッド)の最高法務責任者であるダン・ギャラガー氏を有力視する意見も注目を集めています。
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Souce:ASA公式発表
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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