ルミス上院議員のビットコイン準備金法案でモデル化
ビットコイン(BTC)のETFなどを発行する米投資企業のVanEckは、2024年12月20日に公開したレポートで、米国のビットコイン準備金法案によって国家債務を35%削減できる可能性を指摘しました。
VanEckが公開したレポートでは、ビットコインに関するさまざまな動向や調査が公表されています。
レポート内で、米国の仮想通貨推進派として知られるシンシア・ルミス上院議員が提出したビットコイン準備金法案に基づいて、計算結果をモデル化しました。法案は、米国が5年間で100万BTCを取得することを目指すものです。
法案によって2029年までに100万BTCを取得したという前提で、米国の債務が年平均5%複利で成長し、ビットコインの価格が年平均25%複利で成長した場合、2049年にビットコインの準備金は債務の35%を占めると指摘しました。
上記の分析は非常に簡易的で、シンプルな仮定と楽観的な価格成長が前提となった計算結果です。2049年時点におけるビットコインの価格は4,230万ドル(約66億円)と算出されています。
レポートでは、仮に4,230万ドルに到達した場合、ビットコインは世界の金融資産の18%を占めると指摘しました。
レポートではこの他にも、民間企業間において財務にビットコインを導入する動きがあることや、州レベルでビットコイン準備金の動向が見られること、ビットコイン価格が2025年中に18万ドル(約2,800万円)を超えるというVanEck独自の予測に対して、順調に価格が推移している点などに触れています。
BTC準備金に法案は不要か?取得方法も提案
VanEckのレポートでは法案ではなく、行政的な手段で米国におけるビットコイン準備金を実現できる可能性をいくつか指摘しました。その1つとして、米国が保有している約20万BTCの売却を停止することを挙げています。
次に、保有している金の一部を再分配したり、財務長官の権限でESF(為替安定化基金)を使用することで、米ドルの発行や納税者の負担を抑えて実現できると主張しました。
ビットコイン準備金については、実現の有無・方法論・効果についてさまざまな意見が出ている中、ドナルド・トランプ次期大統領はビットコイン準備金について前向きな動向を見せており、度々前向きな発言や報道が確認されています。
※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=156.6円)
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Souce:VanEck
執筆・翻訳:BITTIMES 編集部
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