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米大統領選で仮想通貨による活動資金の寄付を受け入れ:アンドリュー・ヤン


米国大統領選のための活動資金の寄付をビットコインなどの仮想通貨でも受け入れている候補者が話題となっています。暗号通貨は世間的にも徐々に受け入れられているものの、今回のケースは『選挙活動』という重要な内容でもあるため多くの議論が交わされています。

こちらから読む:ビットコインとは何か?「初心者にもわかりやすく簡単に説明」

Andrew Yang(アンドリュー・ヤン)氏

2020年の米国大統領選の候補者である民主党のAndrew Yang(アンドリュー・ヤン)氏は、選挙資金のための寄付をビットコイン(BTC)イーサリアム(ETH)などの仮想通貨でも受け入れることを発表しました。


重大発表 – 私の選挙運動では、現在ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨による寄付を受け入れています。共に未来を築いて行きましょう。

ヤン氏は、起業家を支援する非営利団体である「Venture for America(ベンチャー・フォー・アメリカ)」という団体を2011年に立ち上げた起業家でもあり、米国の都市やコミュニティの発展を促進するために起業家と若い人材を繋ぐ活動に取り組んでいます。

“ベーシックインカム(*1)を導入すべきだ”と考えている同氏は『米国の全ての大人に月額1,000ドル(約11万円)の普遍的な基本所得を配布すべきである』と主張している本なども執筆しています。

(*1)ベーシックインカム:すべての国民が最低限の生活を送るために必要なお金を政府が定期的に支給する政策

しかしヤン氏は、人工知能(AI)や自動化などの技術には反対しており、そのような技術は「近い将来に何百万人もの人々から仕事を奪うことになるだろう」と考えており、現在は人間の幸福を最大限に引き出すことを目指す『人間資本主義』と呼ばれる新しいタイプの資本主義経済を支持しています。

ビットコイン、イーサリアム、ERC20トークンを受け入れ

ヤン氏の選挙活動は、ビットコインやイーサリアムの他にもERC20の規格に基づいた複数のアルトコインでの寄付にも対応しており、米国に居住する18歳以上の人や、永住権を持っている人であれば、誰でも簡単に寄付を行うことができます。

実際に献金を行うためには、初めに専用の入力フォームに必要事項を記入して送信する必要があります。その後正式に寄付が認められた場合には、寄付用の仮想通貨ウォレットアドレスが送られてくるため、そのアドレスに送金することで寄付を行うことができます。なお、個人で寄付を行う場合の最大金額は、2,500ドル(約27万5,000円)までに設定されています。

また寄付を行う際の注意事項として、「追跡することができない寄付を行うことができるため、寄付用のウォレットアドレスを共有しないように」とも忠告されています。

仮想通貨献金に関する議論

仮想通貨での選挙献金の受け入れには多くの意見が寄せられており、Twitter(ツイッター)上では批判する声も相次いでいます。

批判的な意見としては、「仮想通貨は”ダークマネー”だ」といったものから「外国からの寄付の手段として違法に利用される可能性がある」といったものなどさまざまであり、肯定的な意見としては、「選挙の候補者が仮想通貨での寄付を受け入れてもいい時代だ」といった声もみられています。

ですが、大統領選で仮想通貨での寄付を受け入れるケースは今回が初めてではありません。

ケンタッキー州の共和党員であるRand Paul(ランド・ポール)米上院議員やミズーリ州の共和党員であるAustin Petersen(オースティン・ピーターセン)氏なども、過去にビットコインでの寄付を受け入れており、ビーターセン氏に寄せられたビットコインによる寄付の総額は9,700ドル(約107万円)となっています。

また、テキサス州の自由党は2014年からビットコインでの寄付を受け入れており、ワシントン州、モンタナ州、米国連邦政府は仮想通貨での寄付を許可しています。またウィスコンシン州も現在受け入れを検討しており、仮想通貨での寄付を受け入れる地域は増えてきています。

2020年の米国大統領選挙には、複数の仮想通貨関係者も立候補を検討していることを語っています。それらの人々が実際に立候補するのかは定かではないものの、次回の選挙時には”仮想通貨”が重要なキーワードの一つとなるでしょう。

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