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UPS:ブロックチェーンを活用した特許を出願|仮想通貨決済にも対応か


アメリカの大手貨物運送会社である「United Parcel Service(UPS)」は、ブロックチェーン技術を活用して生産から販売に到るまでの様々な物流プロセスを合理化する取り組みを始めています。同社が出願した特許書類には分散型台帳技術を活用した新たな仕組みの解説とともに、仮想通貨決済にも対応する可能性があることが記されています。

こちらから読む:ブロックチェーンが物流業界にもたらすメリットや課題から学ぶ

United Parcel Service(UPS)とは

ユナイテッド・パーセル・サービス(United Parcel Service/UPS)は、アメリカに本社を構える大手貨物運送会社です。

世界的にも有名な国際貨物航空会社でもあり、世界200か国以上の国や地域で一日1,400万個以上もの荷物を取り扱っています。1907年に設立された同社は、創業から110年という長い歴史を持っており、日本の大手運送会社であるヤマトホールディングスとの業務提携なども結んでいます。

ブロックチェーンを活用した自立型システム

米国特許商標庁(USPTO)が8月16日に公開した文章によると、UPSは複数の事業者が関わる国際的な配送サービスの効率を高めるとともにコストを最小限に抑えるために分散型台帳技術とブロックチェーン技術を活用する新しい特許を出願しています。

もともと2月16日に提出されたこの出願書類では、すでにブロックチェーン技術を使用した輸送サービスが一般的にはなっているものの、様々な種類の物流サービスが混在する可能性がある場合には、それらの方法で効率を高めたり、コストを大幅に抑えることはできないと指摘されています。

ブロックチェーン技術を物流プロセスで活用することによって、製品の動きを把握したり、経由した企業や経路などをより簡単に管理することができます。しかしUSPはこのような利点を備えていても、より多くの分野や業界が関わってくるにつれて、それらのメリットを生かすことができなくなる可能性があることを説明しています。

USPはこのような問題を解決するために、複数の物流サービスネットワークを介して自動的に荷物のルーティングを行う自立型システムを導入することを目指しています。

荷物が各施設でスキャンされると、このシステムはネットワークに接続された配送業者のサービスに基づいてルートを自動的に選択します。無事に荷物が目的地に輸送されると、出荷に関する情報がブロックチェーン元帳に記録され、サービスプロバイダがそれぞ​​れのサービス提供の義務を果たしているかどうかを評価することができます。

ビットコイン(BTC)決済にも対応?

さらにこの特許では、システムによってはスマートコントラクトを使用して、物流過程における様々な関係者への仮想通貨決済にも対応できるように構築されていることが記されています。

パブリックブロックチェーンネットワークの上に構築されている場合には、ビットコイン(BTC)イーサリアム(ETH)のような仮想通貨を使用してそれらの支払いを処理することができるため、それらの暗号通貨は運送関係のサービスで利用できる通貨としても価値を持つようになる可能性があります。

現時点では出願された特許が公開された段階ですが、実際にこれらのサービスの提供が開始されれば、仮想通貨は物流業界の幅広い場面で使用されるようになり、より身近な存在となってくるでしょう。

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