中国の大手小売業者であるJD.com(京東商城)は、2つの技術研究所と提携してブロックチェーン研究所を立ち上げました。すでに複数のBlockchainプロジェクトに取り組んでいる同社は、これらの技術のさらなる普及、応用に取り組んでいます。
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分散型アプリケーションなどの活用範囲を拡大
中国を代表するWebサービス会社であるJD.comは、アメリカの州立大学であるニュージャージー工科大学(NJIT)と中国科学院ソフトウェア研究所(ISCAS)と協力してブロックチェーン研究所を設立しました。この研究所は、ブロックチェーン技術の研究開発を通じてより多くの業界にブロックチェーン技術を活用していくことを目的としています。
具体的な内容としては、分散型アプリケーション(DApps)の基本的なコンセンサス・プロトコル、プライバシー保護、セキュリティなどに関する研究を長期的に行なっていくとされています。
この研究所を率いる人物の一人である中国科学院ソフトウェア研究所のZhong Hua副所長は『このパートナーシップを通じてブロックチェーンの技術革新をもたらし、産業への応用を促進する』と述べています。
ブロックチェーン×人工知能「スマートシティ計画」
JD.comは今年の8月に「JD Blockchain Open Platform」という新しいBlockchain-as-a-Service(BaaS)プラットフォームを発表しました。このプラットフォームは利用者がブロックチェーン技術の開発を行う際にゼロから立ち上げを行う必要がないように簡単に利用できるツールが提供されているため、ブロックチェーンソリューションを比較的容易に構築、ホスト、実装することができるようになっています。
また同社は、Wallmart(ウォルマート)、IBM(アイビーエム)、清華大学と提携して、食品のトレーサビリティ強化と中国における安全性に重点を置いた「Blockchain Food Safety Alliance」も立ち上げており、先月はブロックチェーンと人工知能(AI)を活用して「スマートシティ」の建築を促進するための研究所も開設しています。
中国ではAlibaba(アリババ)も同様にBaaS製品の提供範囲を拡大しており、最近の発表では提供地域を米国、ヨーロッパ、東南アジアなどを含む国際市場にも拡大していくことが明かされています。中国で進むブロックチェーンの本格的な活用には今後も注目が集まります。
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