
Alibaba Cloud:ブロックチェーン製品「世界規模」で提供へ ー 拡大するBaaS市場
Alibaba(アリババ)が提供するブロックチェーン(Blockchain)を活用したクラウドサービス「Alibaba Cloud's BaaS(*1)」の提供地域が米国、ヨーロッパ、東南アジアなどを含む国際市場に拡大されることが明らかになりました。今年の8月に中国で発売されたこの製品は、現時点でも物流、医療、公益システムなどの業界での実績を持っていると伝えられています。
(*1)BaaS(Blockchain-as-a-Service):ブロックチェーンがすぐに利用できるようにあらかじめ必要な設定や製品が準備されているバックエンド機能を提供するサービス
こちらから読む:ブロックチェーン技術で国際送金3秒台も実現する「Alibaba」
Alibaba Cloud's BaaSとは
Alibaba Cloud's BaaS(Blockchain-as-a-Service)とは、中国を拠点にIT関連のサービスを提供している大手企業Alibaba(アリババ)が提供するブロックチェーンを採用したクラウドサービスです。Alibaba Cloud(アリババ・クラウド)は、これらのサービスを通じて顧客がブロックチェーンのアプリケーションを構築して実装できる環境を提供しています。
この製品は「Hyperledger Fabric」と「Ant Blockchain」という2つのブロックチェーンテクノロジーに基づいており、信頼できるコンピューティングと安全なコンソーシアムのブロックチェーンネットワークによって保護されています。
Hyperledger Fabric
Hyperledger Fabricは、「Linux Foundation」が展開するオープンソースのブロックチェーン技術に焦点を当てた5つのプロジェクトの中の1つです。
この製品は、モジュラーアーキテクチャアプリケーション(ソリューション)を開発するための基盤として利用することができるフレームワークです。これには、10種類のビジネスブロックチェーンと分散型台帳技術が含まれています。
Ant Blockchain
Ant Blockchainは、「Alibaba Group」の金融関連会社である「Ant Financial Services Group」によって開発された安全なブロックチェーンネットワークに基づいた独自のブロックチェーンプラットフォームです。
豊富な機能をサポート
Alibaba Cloud's BaaSは、
・自動展開
・コンソーシアムブロックチェーン管理
・スマートコントラクト
・ユーザーと証明書管理
・ソフトウェア開発キット(SDK)アプリケーション
・さまざまな監視、操作、および保守機能
などの幅広いユースケースをサポートしており、「Java SDK」と「Node.js SDK」の両方をサポートし、セキュリティ機能も組み込まれていると説明されています。
このような機能を備えたAlibaba Cloudは、分散型アプリケーション(DApps)などの開発を比較的容易に行える環境を開発者に提供し、ブロックチェーン技術の開発や普及を促進しています。今後これらのサービスが米国、ヨーロッパ、東南アジアなどの幅広い地域で提供されることによって、ブロックチェーン関連製品の開発はさらに広い地域で進められていくことになると考えられます。
Bank of America(バンク・オブ・アメリカ)のアナリストであるKash Rangan(カッシュ・ランガン)氏は以前、これからより多くの企業が費用対効果の高いブロックチェーンソリューションを求めていくにつれて、BaaS市場が70億ドル(約7,860億円)に達するとの予測も語っているため、これらの動きには注目が集まっています。
ブロックチェーン競合他社に迫る「Alibaba」
Alibaba Groupは長期間に渡ってブロックチェーン技術への投資を行なってきており、報告書によると、2017年の時点で全世界のブロックチェーン特許の10%を保有し、2018年9月時点では90件もの特許を出願していると伝えられています。
これまでAlibabaは、ヨーロッパの地域のフランクフルトとドバイにしかデータセンターを持っておらず、中国市場を拠点に活動を続けてきましたが、アジア太平洋地域では、
・Amazon Web Services(AWS)
・Google(グーグル)
・Microsoft(マイクロソフト)
・IBM(アイビーエム)
などの競合他社との格差を近づけてきています。
今年の6月には「Ant Financial」がブロックチェーン技術をベースとした国際送金サービスで、送金時間を3秒にまで短縮させたことを発表しています。また「Alibaba Group」は、以前から商標権侵害の問題で争いを起こしていた「アリババコイン財団(ABBC財団)」を買収する可能性があることなども報じられています。
ブロックチェーン関連の取り組みを本格的に拡大し始めているアリババグループの今後の活動やブロックチェーン関連サービスを提供するその他の企業には、今後もさらに注目が集まります。

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